北海道の移住先おすすめ5選を紹介します。皆さん、国内に旅行に行くとしたら?という質問で真っ先に上がることも多いであろう北海道。昨今では移住先としてもかなりの人気を誇っています。そこで今回は、北海道での移住に少しでも興味を持たれている方々に対し、北海道での移住について気になる情報をお伝えします。これを読んで、今まで興味のなかった人も、少しでも興味を持ってくれればうれしいです!
まず、北海道と言えばやはり「寒い」というイメージを持たれている人も多いのではないでしょうか。昨年度の月ごとの平均気温を見ていきましょう。
北海道の年間平均気温は5〜11℃で、東京とは6〜12℃ほどの差があります。夏は北海道も20℃を超える地域が多いものの、東京に比べると涼しく感じられます。
10月から気温が下がり始め、冬には例年マイナス気温を記録します。また、北海道の中でも差があり、札幌や函館は比較的暖かく、釧路などは寒いと言われています。陸別町などは、特に寒い地域として有名ですね。
都道府県で最も面積の広い北海道は、いくつかのエリアに分かれています。エリアごとに環境が異なるため、それぞれの特徴をおさえておきましょう。
主なエリアと特徴は、以下の通りです。
道央エリアは、札幌や小樽など観光地としても有名な都市が集まっており、北海道の中心地として、JR札幌駅や新千歳空港、苫小牧港など交通の要所でもあるエリアです。ニセコや洞爺湖、定山渓といったリゾートや温泉地もあり、意外と自然も豊かなエリアです。
道南エリアは、函館市をはじめとしたエリアです。観光はもちろん、温暖な気候を生かした農業、海に面した地域での漁業など産業も盛んとなっています。
道北エリアは、最北端の稚内市から旭川市・富良野市近辺までのエリアで、国立公園や海など自然に恵まれています。なかでも、旭山動物園は、言わずと知れた全国区の動物園ですね。
オホーツクは、流氷が接岸することで有名な地域です。網走市や紋別市に流氷が訪れ、遊覧船から観察することができ、条件次第では流氷の上に乗ることもできちゃいます。流氷はプランクトンを運ぶ役割もあるため、美味しい海の幸が育まれているエリアとしても名高いのです。
十勝は、広大な土地を活用し、農業や酪農が盛んに行われているエリアです。日本の食料基地のひとつであり、さまざまな農産物が作られているほか、自然を存分に楽しむアウトドア施設、農業体験など、北海道らしさのあふれる体験ができるのも大きな魅力です。
釧路・根室は、北海道の東に位置するエリアです。釧路には、釧路湿原や阿寒湖など雄大な自然が広がっており、根室は漁業や酪農が盛んとなっています。納沙布岬からは北方領土が見えることもあり、最東端であることを感じさせてくれます。
https://www.visit-hokkaido.jp/feature/oyakudachi
北海道の土地は大変広大なため、移動距離や時間、手段を知っておくことが必要です。図は最短ルートと時間を示しています。北海道は面積が広いため、町から町への距離・所要時間も長くなりがちです。利便性を重視する場合は、なるべく隣接する都市に近い移住先を選ぶと良いでしょう。図の時間は一般国道を利用した場合であるため、高速道路を使える区間であれば、所要時間を短縮することができます。
北海道移住の魅力といえば何といってもやはり「大自然」です。しかし、自然ばかりでどこへ行っても変わり映えがしない風景が続くということもなく、広大な北海道だからこそ、エリアごとに全く異なる自然環境が広がっているのは大きな魅力です。さらに、四季によってその表情を変えていくのも魅力的ですし、なにより新鮮な食材がいつでも安価で手に入れられるのもうれしいところです。
また、周知のとおり、夏は比較的涼しく、過ごしやすいのですが、みなさんが気になるのはやはり冬の厳しさなのではないでしょうか。雪道の運転や雪かきなど、確かに最初のほうは慣れるのがなかなか大変ですし、慣れてからも長い冬が訪れるたびにこれらが付きまとうのはちょっとしんどいなと思われるかもしれません。
しかし、その長い冬をポジティブに楽しんでしまえるような人にとってはそれも大きな魅力となります。北海道には、スキーやスノーボード、スケートなどといった定番のものから、氷上ワカサギ釣りやスノーシューなどウインターアクティビティがたくさんあります。「さっぽろ雪まつり」をはじめとした雪国ならではのイベントも各地で開催されているほか、ふつうに生活していても、家の窓からふと見上げたときに広がる白銀の雪景色の美しさはすばらしいものです。
また、北海道の家屋は寒さに強いように作られており、どこに行っても暖房が効いているため、実は真冬でも室内は快適なのです。また、洞爺湖や宗谷岬、知床半島など、有名な観光地がたくさんあり、陸路で行けるのも魅力ですね。また小さなところで言えば、寒さゆえに「ゴキブリが出ない」ことも虫嫌いの人にとってはプラスかもしれません。
つぎに、北海道でおすすめの移住先5選を紹介いたします。
下川町は北海道の道北に位置しており、車で旭川から2時間ほどの場所にあります。町の約9割が森林のため、空気が澄んで水がおいしく、自然を利用したアクティビティなどが豊富な町です。また、半径1kmの範囲で病院や金融機関や衣食住がまかなえるお店があり、自転車移動だけで必要なものが揃う点も魅力です。下川町は「幸せ日本一」な町を目指しており、町民が誰からも邪魔されずに自分の幸せを追求している町です。
季節・自然を楽しむ町民性や、移住者が多く新しい挑戦に寛容な町の雰囲気も相まって、町民同士の仲が良いと評判です。移住支援の相談窓口では専任の担当者が常駐してるほか、移住フェアの開催などにも力を入れており、サポート体制も充実しています。
旭川市は北海道の第二の都市とされ、雄大な大雪山連峰や十勝岳連峰や多くの川があり、四季折々の大自然を楽しむことができる移住先として人気の高い都市です。
全国的に有名な旭山動物園や上質なパウダースノーを楽しめるスキー場、昆虫などの自然の生き物が多くいるキャンプ場など、自然を利用したアクティビティや観光地も豊富です。また、近年タワーマンションや新商業施設など、駅前の再開発が盛んにおこなわれており盛り上がりを見せている町です。
十勝エリアの、帯広市から車で50分の位置にある大樹町は、清流日本一に9度選ばれ、砂金掘りが楽しめる宝の川「歴舟川」が町内を流れている自然豊かなところです。東は太平洋、西は日高山脈に接し、中央部は広大な十勝平野が広がり、海・川・山がそろっています。
また、町の太平洋沿岸には海の見えるヨードの温泉「晩成温泉」があります。他にも「多目的航空公園」では数多くの航空宇宙関連実験が行われており「宇宙への玄関“大樹町”」を目指しているロマンあふれる宇宙のまちです。
十勝の中心地、帯広市は、東洋経済新報社が独自に発表している「住みよさランキング」において、3年連続北海道内でNo.1を獲得しています。
農業王国と名高い農業の盛んさもさることながら、実は農業をも上回る農業生産品を原料とした製造品出荷額の高さと安定性から、景気低迷にかかわらず安定した経済状況が大きな魅力となっています。
帯広は北海道内でも雪が少なく、冬の寒さもそこまで厳しくないことで有名です。さらには、まちの中心にはJR帯広駅があり、JRのみならず各種交通機関の要所が集中する、十勝地方の重要な交通結節点となっています。羽田空港からの直通便のある「とかち帯広空港」があり、交通の便はばっちりとなっております。
苫小牧は海の玄関「苫小牧港」と空の玄関「新千歳空港」を有し、鉄道、国道、高速自動車道などの交通アクセスにも恵まれ、北海道経済発展の大きな役割を担う産業拠点都市です。一方で、ラムサール条約に指定されているウトナイ湖や溶岩ドームを持つ世界的にも珍しい三重式火山の樽前山があり、豊かな自然に囲まれています。2018年には北海道苫小牧市の人口が釧路市の人口を抜き、初めて道内4位になるなど、勢いのある町です。
北海道で生きるにはやはり生計を立てていかなければなりません。求人は少ないですが、その分人手不足が深刻でどこも働き手を欲している状態です。せっかくなら、自分の経験に合った業界・業種だけではなく、様々な職業を当たってみるのも良いでしょう。
特に「農業」「漁業」「医療・介護」「事業継承」などは地方ではかなり必要とされている仕事です。特に、北海道の自然を生かした仕事がしたいのであれば、一次産業である農業や漁業から探してみるのがおすすめです。また、都心で働いた経験を活かしたい場合は、起業などに挑戦してみても良いでしょう。都会と比べてレッドオーシャンが少ないので、意外とうまくいくケースも多くあるのです。
北海道の広大な土地は大変魅力的ですが、その分移動が大変だというデメリットもあります。住む場所にもよりますが、少し出かけるのにも車が必要になってきますので、車はほぼ必須と言っていいでしょう。最寄り駅までの距離や、中心地への移動時間なども確認しておきましょう。
雪国には、本州とは違う「対策グッズ」が必要不可欠です。冬でも快適な生活を送るためにも、必ずチェックしておきましょう。
雪との共存生活なので、都心では縁のない、雪関連グッズを新たに準備しましょう。
移住にはある程度のお金がかかるので、事前に準備しておかなければなりません。具体的にかかるお金の項目は、以下のようになります。
新居の初期費用は、家賃の4.5〜5カ月分を用意しておくと安心です。また引越費用は、北海道が本州から遠いため、必然的に高額になりますので注意しましょう。500㎞以上の引越は、4人家族で平均238,990円かかると言われています。その他、仕事探しなどで必要になる交通費も、事前にカウントしておくと良いでしょう。また他の地域と違い、北海道では「暖房費」や「除雪費」が特にかかってしまうので、多めに見積もっておくと安心です。
北海道移住交流促進協議会という団体が運営している「北海道で暮らそう!」というサイト(URL: https://www.kuraso-hokkaido.com/ja/)では、就職支援・仕事探しについての情報や実際に移住した方々のインタビューがみられるほか、6月11日に東京で開催される「北海道移住相談会」についての情報や、「オンライン移住相談」の受付もできるようになっているので、是非お気軽に利用してみてください。やはり、気になっていることについて実際に受け答えしてもらうのが一番参考になると思います!
ふるさと回帰支援センターは、都市と地方の交流・移住・定住を支える非営利のNPO団体です。全国各地域の自治体と連携し、地方暮らしに希望を見出し新しい生き方を模索する人たちを支援しています。東京・有楽町の交通会館にある「ふるさと回帰支援センター」には、各地域の相談員が常駐し、さまざまな移住相談(対面・電話・オンライン)に対応しています。北海道の相談窓口はこちら から飛ぶことができます。
北海道庁が運営している移住定住のポータルサイト では、道内14振興局のホームページ・ポータルサイトに飛べるほか、移住支援についての様々な情報を知ることができます。たとえば、後継者不在企業と創業希望者のマッチングを行う「北海道後継者人材バンク」や、北海道内各地の空き家・空き地を情報が掲載されている「北海道空き家情報バンク」など、移住を検討している方々ならば誰でも気になる情報が得られるサイトが紹介されています。
また、実際に北海道内に移住した後、どれくらいの生活費がかかるのかをエリア別に取りまとめてシミュレーションしたページも掲載されているので、気になっている方は是非参考にしてみてください。
便利でモノにあふれた都会を離れて、北海道に移住することの「価値」とはなんなのでしょうか。それはやはり、都会では決して手に入らないような生き方=ライフスタイルでしょう。
北海道に生きる人々にとって、自然とは、レジャーや観光の場ではなく、日常であり生活を取り囲む「環境」です。「自然と共に生きる」とはもののたとえやキャッチフレーズなのではなくて、北海道に生きる人々の実際の在り方そのものです。
北海道には、ほかのどこにもない豊かさがある反面、厳しさもまた、ほかでは見られないものかもしれません。しかし、その厳しさも受け入れた先には、自然の魅力に魅せられた人にとっては「理想」とも言えるような生活が待っていることを保証します。是非みなさん、北海道のことをもっとたくさん知って、「理想のライフスタイルが手に入る北海道移住」をご検討いただけたらと思います。