夢の宇宙旅行が現実に!「北海道宇宙サミット」が10月12日、帯広市で開催されました。宇宙ビジネスの新たな機会、発射場の課題、そして人材の育成の重要性など、宇宙産業の未来に向けた多岐にわたるテーマが熱心に議論されました。宇宙遊覧を目指す企業や新型ロケットの発射に関心を持つ企業など、宇宙への夢を追い求める多くの参加者が、その夢を現実にするためのステップを共有し合いました。
※同時開催「十勝アグリ&フードサミット」。
宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット」が10月12日、北海道帯広市で開催されました。
注目のニュースは、セッション2に登壇した台湾のロケットメーカー「JTSPACE」。彼らは、「大樹町は宇宙関連の企業が集まり、ロケットの軌道調整が容易な立地にあり、さらに民間企業を受け入れてくれる」と評価した上で、「この強力な支援を受けられるなら、大樹町の宇宙港(スペースポート)でのロケットの打ち上げを来年にも実現したい」との意向を示しました。
これまで、民間宇宙ロケット会社は実業家の堀江貴文氏がオーナーの大樹町のベンチャー企業で、宇宙港での新型ロケット打ち上げを目指す「インターステラテクノロジズ(稲川貴大社長)」のみでした。JTSPACEの登場で、大樹町のスペースポートは、さらなる宇宙ビジネス関連企業の注目の的になることは間違いありません。
まさに、北海道スペースポート(HOSPO)を開発・運営するSPACE COTAN(小田切義憲 代表取締役社長兼CEO)が掲げる「北海道に宇宙版シリコンバレーをつくる」が現実味となってきましたね。
最後のセッションにも登壇し、日本で最も注目される宇宙関連ベンチャーのひとつで、宇宙気球による「宇宙遊覧」の実現を目指す株式会社岩谷技研の岩谷圭介代表取締役は、スマヒロの取材に対し、同社の遊覧サービスについては「宇宙に行く夢は来年です」と断言。2024年にサービス開始を目指す、宇宙への有人遊覧の準備に余念はないとしました。
その上で、同社の強みと課題については、
「国産初となった自社開発の生命維持装置の存在が強みです。機体と設備は整っています。あとは時期を待つのみですが、今後はもっと多くの人に宇宙旅行をしてもらうために、料金を一桁さげないといけないし、機体の量産にはさらにコストがかかります」
と話しました。
北海道宇宙サミットの今回の開催は3回目となりますが、その規模と影響力は年々増しているといえるでしょう。会場には26の企業や団体のブースが設けられ、その中で宇宙ビジネスの最前線での取り組みや技術が披露。事前申込で約800人が応募。オープン後は、当日参加者が列をなしていました。
また、今回のサミットで、十勝の大樹町はロケットの発射拠点「宇宙港」の整備を進める主体として、宇宙産業の新たな中心としての位置づけが強まったのではないでしょうか。
その動きをサポートする声として、JAXAベンチャーの株式会社ロケットリンクテクノロジー代表、森田泰弘氏も「地政学的にも、滑走路の拡張性などあらゆる面で大樹町のHOSPOは良い条件が揃っています。将来的にも、ロケット打ち上げならば、大樹町一択ではないか」と絶賛。
大樹町でロケット打ち上げを続けるインターステラテクノロジの稲川貴大社長は「宇宙港を使いたい企業が新たに出てくるなど、宇宙産業は早いサイクルで進んでいます。ほかの企業と一緒に前進していきたいです」と意気込みました。
大注目の最終セッションの席はすべてが埋まり、立ち見でぎっしりと埋まったセッションルーム。登壇した堀江貴文氏は、日本の宇宙産業と関連スタートアップの可能性について「日本の宇宙産業の民間転用はかなり遅れてしまった。日本国内でしっかりとした日本製のサプライチェーンを維持していくことが大事だ」と輸入部品で製作するのではなく、国産部品を使うことを訴えました。
宇宙、その果てしない広がりと無限の可能性は、私たち一人一人の心の中に夢と興奮を呼び起こします。この度、北海道帯広市で開催された「北海道宇宙サミット」は、その夢の実現に向けた大きな一歩となりました。
3回目の開催となる北海道宇宙サミットでは、宇宙産業の専門家たちが集い、日本、特に北海道の宇宙ビジネスの将来について熱心に議論を交わしました。新たな宇宙港の誕生、宇宙旅行の実現、そしてその先に広がる未来。国や企業が力を合わせ、一つ一つの課題をクリアしていく中で、宇宙への夢は現実のものとして形を成していきます。
岩谷圭介氏の言葉、「来年から宇宙に行く夢がどんどん叶う」。これはただの夢物語ではなく、実際に叶えられる明日を示しています。北海道、特に帯広市や大樹町は、その夢の実現の場として、今後も大きな注目を浴びることでしょう。
台湾のロケットメーカーからの期待の声、そして地元北海道の企業や専門家たちの情熱。これらが結集し、日本の宇宙産業が次のステージへと進むための強力な推進力となります。
このサミットが終わっても、宇宙への情熱や夢は終わることはありません。北海道、そして日本全体が宇宙産業の新しい時代を迎えるための動きが、これからも加速していくことでしょう。
夢は宇宙へ、そしてその夢を追い続ける私たちの冒険は、これからも続いていきます。