「北海道に移住して、大自然と広い空のもとで暮らしたいけど、北海道には仕事ないですよね」という声をよく聞きます。心配いりません。北海道の十勝地方は、好調な農業関連業によって景気は右肩あがり、仕事はいっぱいあります。しかも、ITやマーケティングなど、これまで必要とされなかった業種で募集が増えているんです。今回は、「北海道移住で仕事がないはウソ!心配ありません、結構あります」と題して、北海道の仕事に関して解説していきます。
北海道といえば、豊かな自然とおいしい食べ物。都心とは真逆の広い空と大地のイメージがありますよね。移住先として人気が高いのも納得できるでしょう。
しかし、そのような自然に囲まれている情景の反面、北海道移住を考える際、気になるのが仕事についてです。
「移住先で仕事をすることはできるのか」「北海道に移住して転職できる仕事はあるのか」「北海道に移住しても仕事がないかもしれない」などと不安になるかもしれません。
けれどもご安心を!北海道にきて全く仕事が見つからないなんてことはまずありません。北海道には、本当は結構仕事があるのです。
しかし、仕事を見つけるにもコツを掴めなければ難しいのも事実、ここからは北海道で仕事を見つけるコツを3つ紹介しましょう。
まず、一つ目が「周辺環境を含めて、職場を見学する」こと。北海道は都心とは全く環境が異なるのは事実。職場見学をしておくことで、「こんなはずじゃなかった…」となってしまうリスクを減らすことができます。
次に、「冬の環境を体験しておく」こと。北海道と言えば厳しい冬。移住するには多少覚悟をされているとは思いますが、通勤や仕事をしていくうえで、思わぬ障害になりえるかもしれません。そのことも含め、冬の厳しさをしっかり体感しておくことが重要でしょう。
3つ目は、「転職エージェントを活用する」こと。最近は、様々な転職サービスが展開されていますが、おすすめなのが、「地域に密着した転職サービス」です。これについてはのちほどご紹介いたしましょう。
ここからは、実際に北海道移住した方々の体験談をご紹介いたしましょう。
まずは、40代で東京から家族で北海道にUターンしたAさんです。
Aさんは、北海道の十勝帯広市出身。大学卒業後に上京し、出版社で20年勤めた後に、東京で結婚した妻と子どもの3人でUターンをしました。
働き盛りの40代で妻も子供もいるとなれば、移住先の就職に不安が募ることもあるでしょう。そんな不安を解消するのが国や自治体の制度でした。
Aさんが「幼稚園授業料や中学生までの給食費、高校生までの医療費が全て無料になったことも移住のきっかけになりました」と話すとおり、自治体によっては無料の塾や移住者向けの住宅支援制度など、何かとお金がかかる子育て世代には嬉しい手厚い支援をする自治体も増えています。
働き盛りの40代で妻も子供もいるとなれば、移住先の就職に不安が募ることもあるでしょう。そんな不安を解消するのが国や自治体の制度でした。
Aさんが「幼稚園授業料や中学生までの給食費、高校生までの医療費が全て無料になったことも移住のきっかけになりました」と話すとおり、自治体によっては無料の塾や移住者向けの住宅支援制度など、何かとお金がかかる子育て世代には嬉しい手厚い支援をする自治体も増えています。
また、仕事の確保に関しては、どうしても地方では職種に限りがあり、Aさんが希望する出版職は少なく、見つけても会社規模が小さく収入面での差額が大きく、決断には至りませんでしたが、転職エージェントに相談することで意外な転職先を見つけることができます。Aさんの場合、「メディア関連で仕事をしていた人であれば、会社の広報業務はいかがでしょう」との一言が活路となりました。
次に20代単身で北海道に移住したBさんの話です。
Bさんは、大学卒業後、都内で営業の仕事をしていましたが、仕事のきつさや都心の閉そく感により、精神的に追い込まれてしまったことで、地方への移住を決意。もともと旅行が好きで、北海道に行ったときに感動したこともあって、北海道に移住することを決めました。
ネックなのはやはり仕事でしたが、若さもあり、転職サービスを活用することで別業態での営業の仕事を掴むことに成功しました。
年収はどうしても下がってしまいましたが、北海道は首都圏と比べて物価が安く、食べ物もおいしいものがコスパよく食べられるので、生活水準自体の低下はあまり感じられなかったとのことです。
北海道で就きやすい仕事にはどんなものがあるのでしょうか。
1つ目が、「完全在宅でできる仕事」です。昨今は会社に属しながら、在宅勤務するという働き方が珍しくなくなってきました。そしてもちろん、北海道へ移住しても都心の企業の従業員として完全在宅で働くことも可能です。働き方が柔軟になったことをきっかけに、北海道への移住を検討することがより容易になってきたと言えるでしょう。
また、会社に属さずにフリーランスで働くのも方法のひとつです。完全在宅でできるフリーランスの仕事には、Webライター、Webデザイナー、システムエンジニア、プロジェクトマネージャー、秘書業務代行、などが挙げられます。体験談にもみられるように、今の仕事で身につけたスキルを活かして、北海道をはじめ地方へ移住している方が増えてきているのです。
2つ目が、「介護老人ホームなどの福祉業界」です。日本全体で高齢化率が高まるなか、北海道では全国平均を上回る速さで高齢化が進んでいます。そのため、介護や医療など、福祉に対する需要は高まり続けているのです。しかし、それに比べて福祉業界は人手不足にあえいでおり、移住とともに名乗りを上げれば快く歓迎されることでしょう。
3つ目が、「農業や漁業などの一次産業」です。北海道では一次産業が盛んであり、北海道への移住で、一次産業に挑戦したいと考える人も少なくありません。日本国内の耕地面積は約4分の1を北海道が占めており、全国でも有数の一大農業地帯となっております。
先程も紹介した少子高齢化は、一次産業にも影響を及ぼしており、北海道の食文化を継承する「担い手」は不足しているのが現状です。現在ではたくさんの農家が「後継ぎ」を募集しているのが現状です。
一次産業に対しては「キツそう」「体力がないとできなさそう」といったイメージを持つ方が少なくないかもしれません。ですが、現代の一次産業の現場には、ロボットやIT技術による機械システムの導入が進んでいます。これによって、必ずしも体力勝負の仕事ではなくなってきているので、思い切ってキャリア転換することも選択肢に挙げられるでしょう。
「農業王国と呼ばれる十勝では、人手不足で新事業が立ち上げられないんです」と話すのは、東京の人材エージェント。
2022年の農畜産物の十勝管内JA取扱高(概算)は3,494と好調で、国内の農畜産物の1/10を十勝が算出しているほど。まさに日本の中で誇りうる十勝農業の強さです。
好調を背景に、農家さんを支える農業関連業も成長の一途を辿っています。
「農業の大型による大型農機具や設備、農業の効率化を図るためのIoT化も進み、関連業の多くの企業が対応するために増産や設備投資などを進めたいが、高度人材が不足し、二の足を踏んでいるんです」と話すのは、地元金融機関。
補助金や融資の話は多いのですが、対応する人が不足しているため進まないのだとか。
経済が逼迫していない十勝では、全国的に人口減少率も低く、中には人口増となっている町村すらあります。
そのため、前述した福祉事業や一次産業のような現場労働力以外にも、サービス業、IT業などのエンジニアのほか、企業のマネジメント層が不足しています。
前出の地元金融機関も「求人媒体には載っていないが、水面下では高度人材確保を人材エージェントに頼んでいる企業が山ほどいますよ」と話します。
それでは、北海道で仕事を探すためにはどんな方法が有効なのでしょうか。
それが、上述した「地域密着型のお仕事発見サービス」です。
ビズロケとかち帯広を拠点にした「ビズロケとかち」は、十勝内での就職を支援する優れたマッチングサイトです。中途求職者や学生、既卒者向けに約300社の求人情報を提供。求職者と企業とのオンラインやり取りを通じて、適職の見つけ方がよりスムーズに。ビズロケとかちの登録説明会も開催され、UIJターン希望者には東京でも開催されています。
55歳以上の方を対象とした「ジョブジョブとかちシニア」は、再就職やボランティア活動を支援するマッチングサイト。経歴や資格を匿名で公開し、企業からのスカウトを受けることも。求人情報が公開されていない企業からも声がかかる可能性があり、就職活動の幅を広げる手段として魅力的です。
北海道が支援する移住支援金対象求人就業マッチングサイトでは、幅広い職種の求人情報が提供されます。移住支援金対象企業での就職であれば、帯広に移住して他市で働いていても支援金を受けられる可能性があります。
TCRU(ティクル) 北海道“とかち”の仕事が見つかる ー移住・転職・副業メディアー
今年5月にオープンしたばかりの、十勝地方に特化した求人マッチングWebメディア「TCRU(ティクル)」は、十勝最大の課題「人材不足」を解消し、十勝のリクルーティングの流動化を図るためのメディアとして生まれました。
ティクルは、単なる求人広告を掲載する単なる求人サイトではありません。プロフィール欄を入力するだけで履歴書、職務経歴書をPDF で書き出しできるというお手軽さのほか、多彩なマイページ機能により、応募状況を一目で確認できます。さらには、企業とのチャット形式によるメッセージ管理や、企業にあなたの興味を知らせる足跡機能など多彩な機能が搭載されています。
加えて、企業とのマッチング率を高めるために、スカウトは、求職者と企業が「相思相愛」になった段階でしかできません。企業側は、求職者の経歴を確認、求職者は「気になる」された履歴を確認でき、企業が求職者を気に入ると相思相愛となり、そこから互いにメッセージのやり取りができます。そのほか、「逆スカウト」機能もあり、求職者の方のプロフィールを見て興味を持ってくれた企業をリスト化し、質問やカジュアル面談応募をすることもできてしまいます。
十勝に特化することで、ほかにはない情報量や、密なマッチングが期待できる新しいリクルーティングメディアの「TCRU(ティクル)」。十勝での移住を考えている方には強くお勧めしたいです。
「北海道でも仕事は見つかりますよ」と話を進めてきましたが、仕事を決める際に考えなくてはいけないのが「お金」です。東京から北海道に移住すると、どうしても給与水準は下がってしまうのは残念ながら事実。
しかしながら、東京と北海道では給与のみならず、生活水準も違います。帯広市の平均年収(総務省数値から算出)は約300万円。上記リンクの過去記事に登場した40代で都内から家族3人で北海道帯広市へ移住したAさん家族は、東京時代、月の家賃が16万円の都内23区の2LDK(75平米)に住み、娘さんの私立幼稚園費は毎月10万円弱かかっていました。
一方で、帯広市の2LDK(75平米)の家賃相場は5-8万円と東京の半額から3分の1程度、幼稚園費は無償ですから、約20万円(年間240万円)の固定費を削減できたそうです。
「年収が下がっても生活はできること」も重要ですが、田舎暮しを検討する際には、「生活スタイル」を決めてから生活費を試算することが大切です。
収入だけを考えるのであれば、都心部に残った方がいいのですから、「北海道で暮らしたい」という思いの裏には、「自然に囲まれてゆったりと過ごしたい」「ストレスフリーになりたい」「アウトドア三昧でプライベートを充実させたい」といった理由があると考えられます。ですから。まずは、どんな生活をしていきたいかを決めることで、生活費はガラリと変わるはずです。
今回は、北海道で暮らす上での「仕事」について解説しました。北海道には、あなたの経験を生かせる仕事がたくさんあります。
しかし、一方で、「思っていた仕事と違った」「雪かきや寒さなど生活環境が厳しい」など、仕事や暮らしの上で、表面からは見えてこないリスクがあるのも確かです。だからこそ、情報収集をした後に、現地へ赴いて生活環境を確認したり、現地の自治体の移住促進担当に相談したりすることを強くおすすめいたします。