看護師としてのキャリアを積みながらも、自分のやりがいを見つけられずに悩んでいた松永けい子さん。そんな彼女を救ったのは、「社会福祉法人 元気の里とかち」の理事長からのスカウトでした。初めての福祉の現場での看護は、彼女に新たな気づきを与え、常識を壊して進む「挑戦の場」となっています。松永さんが見つけた成長の喜びとは。
「地域に根ざした福祉を創るために」をコンセプトに、帯広市・音更町・更別村と連携を図り福祉事業を展開。高齢者や認知症患者のためのグループホーム、多機能ホーム、地域密着型介護老人福祉施設、小規模多機能型居宅介護事務所、サービス付高齢者向け住宅などを開設する。そのひとつが、帯広市内の自然に恵まれた環境にある複合施設「奏〜かなで〜」。
看護師として、自分のやりがいを見つけるまでには苦労がありました。子育て中に仕事を探すも、時間的な制約から面接すら受けられない日々が続きました。しかし、そんな彼女に救いの手を差し伸べたのが、現職である「社会福祉法人 元気の里とかち」の理事長との出会いでした。
「正直、最初は福祉の仕事に興味はありませんでした。ただ、仕事が欲しかっただけなんです。人間関係が良ければ、それで十分だと思っていました」と松永さんは当時の心境を振り返ります。しかし、彼女は次第に福祉の現場での看護師としての役割に興味を持つようになり、今ではそのおもしろさに気づき、強く惹かれるようになっていったと語ります。
松永さんは、医療施設とは異なる福祉施設での看護の魅力をこう表現します。
「福祉の分野って、すごく柔軟なんです。マニュアル通りに進める仕事ではなく、利用者さん一人ひとりに寄り添いながら、毎日が違う対応を求められる。それが看護師としてのスキルを生かす場として、すごくおもしろいんです」(松永さん)
「例えば、利用者さんの歩き方がいつもと違ったら、すぐに『血圧が低いかも』と気づく。データだけではわからない、日常の小さな変化を見逃さないことが大切なんです」(松永さん)
松永さんが最も強調するのは、「常識を壊す」姿勢です。「言葉は少し乱暴かもしれませんが、私は常識をぶっ壊すのが私の強みだと思っています」と彼女は語ります。それは、過去のスキルに頼らず、新しい視点で日々の看護に向き合う姿勢を意味します。福祉の現場ではマニュアルに頼れない場面も多く、松永さんは「自分で答えを見つけ出す力が必要なんです」と強調。
「究極のコミュニケーションが求められるこの職場では、利用者さんとの信頼関係を築くことが第一です。そしてその信頼関係が、看護師としての新たな挑戦や成長の原動力になっていくんです」(松永さん)
松永さんは、日々の業務を通じて福祉の現場での看護の深さに気づき、これからも挑戦し続けたいと考えています。「次はこれをやってみようかな、と毎日考えるのが楽しいです。常に自分で新しい答えを見つけていくことで、看護師としても人間としても成長していける。それが、この仕事の魅力だと思っています」
松永けい子さんは、「常識を壊す」看護師として、今日も利用者さんやその家族と向き合い、福祉の現場で新たな道を切り開いています。
松永けい子 看護師・看護職
小規模多機能型居宅介護事業所奏~かなで~