雇用保険で知っておきたい「再就職手当」のしくみをやさしく解説します
今回は、雇用保険の失業手当(基本手当)を受給中に「早く次の仕事が決まったら、もらえるお金があるらしいけど……?」と気になっている方向けに、“再就職手当”について丁寧にご紹介いたします。「受給条件は?」「計算方法は?」「いつ頃もらえるの?」といった疑問に答えながら、具体的な計算式や、申請の流れ、気をつけたい点などを順を追ってわかりやすくお話ししますね。
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再就職手当とは?

失業手当と再就職手当の違い
雇用保険の「失業手当」は、正式には基本手当と呼ばれるもの。会社を辞めて「失業」状態になった人が所定の手続きを行うことで、4週間ごとに一定の金額を受給できる仕組みです。 一方、「再就職手当」は、早期に新しい仕事が決まった場合にまとめて支給される手当。一度にまとまった額が“お祝い金”のように受け取れる分、失業手当の所定給付日数が残っていることが条件となります。
再就職手当をもらえるタイミング
新しい勤務先が見つかったら、基本的に入社日の前日までにハローワークへ届け出を行い、認定を受けます。その後、約1か月半~2か月ほど経過すると、指定した口座に一括で振り込まれる流れが一般的です。 入社前日までに支給された失業手当はしっかりもらえますが、それ以降は失業手当は打ち切りになり、再就職手当が一度に支給される形です。
再就職手当のメリット

1) 早期就職で経済的に安定する
早く仕事を見つけて再就職手当をもらうことで、失業状態を長引かせず、収入源が早期に復活します。再就職手当そのものも非課税で、用途は自由。新たな職場で必要な道具を買ったり、新生活の準備に充てたりと経済的な余裕を生みやすいです。
2) 非課税でもらえる
再就職手当は税金がかからず受け取れます。年末調整や確定申告で申告する必要がないので、「手取りが増えるから扶養はどうなるの?」と気になる方も多いと思いますが、税金の対象にはなりません。ただし社会保険の算定には含まれる場合があり、扶養家族としての条件に影響が出る可能性はあるので注意しましょう。
3) 返金義務がない
一度支給されると、仮にすぐ退職することになっても返金しなくて大丈夫です。ただし、“1年を超えて働く見込み”という要件があるため、すぐ辞めることを前提に申請するのはおすすめできません。
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再就職手当を受給するデメリット

1) 失業手当を満額もらえなくなる
再就職すれば失業手当は打ち切りになるので、結果的に“雇用保険の基本手当を満額受給する”より少なくなる可能性があります。ただ、失業手当は上限額も決まっており、前職より大幅に収入が減るケースも。ブランクが長くなるより、早く転職してしまったほうがメリットが大きいこともあるでしょう。
2) 転職先を焦って決める恐れ
「支給残日数が多いほど再就職手当もアップする」という仕組みのため、焦ってしまいがちです。失業期間を短くしたい気持ちはわかりますが、“再就職手当重視”で志望度の低い企業を選び、あとで後悔するケースにはご用心です。
3) すぐ退職すると残日数が減る
もし再就職先を短期間で辞めてしまった場合、残りの失業手当をもう一度申請できる(所定の受給期間内なら)のですが、“再就職手当をもらったぶんの日数”が差し引かれることに。結果として、受け取れる失業手当が少なくなる点もデメリットです。
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再就職手当の受給条件

もらうための8つの要件
再就職手当を受け取るには、下記すべてを満たす必要があります。
- 基本手当の受給手続きを行い、待期期間(7日間)を終えてからの就職であること
- 所定給付日数の3分の1以上の支給残日数があること
- 離職前の事業主と関係の深い会社(同じ資本や取引先など)ではないこと
- (自己都合退職の場合)待期期間満了後1か月以内の就職は、ハローワークまたは職業紹介事業者の紹介によるもの
- 1年を超えて働く見込みがあること
- 雇用保険の被保険者として加入する(または自営業で雇用保険の被保険者を雇う等)こと
- 過去3年以内に再就職手当または常用就職支度手当を受けていないこと
- 受給資格決定前から既に採用が決まっていた会社でないこと
たとえば「離職前の会社や関連企業に戻る」場合や、「1年を超える就業見込みがない」職場に就職する場合などは該当しません。
もらえないケースの具体例
- 基本手当の待期期間(7日間)を満了前に就職してしまった
- 再就職先で働ける期間が1年未満の見込み
- 離職前の会社と資本的に結びつきのある企業に就職
- 過去3年以内に再就職手当をもらったことがある
- 自己都合退職で給付制限がある期間(満了後1か月以内)にハローワーク等の紹介なしで再就職
就業促進定着手当・就業手当との関係
- 就業促進定着手当: 再就職手当を受け取った方が、就職後6か月以上働き続けた際に、6か月間の給与が前職より下がっていたら差額分を補填する制度。今後、支給率などが見直される予定(2025年4月からは上限が残日数の20%に)。
- 就業手当: 1年を超えない見込みの雇用形態でも、所定の要件を満たせば「基本手当日額の30%」を日数分もらえる仕組み。ただし2025年3月31日をもって廃止が決定しています。
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再就職手当の計算方法と受給金額例

計算式
再就職手当の支給額 = 支給残日数 × 支給率 × 基本手当日額
- 支給残日数:所定給付日数から、就職日前日までに受給した日数を差し引いたもの
- 支給率: o 所定給付日数の3分の2以上残っている場合 → 70% o 3分の1以上残っている場合 → 60%
- 基本手当日額:離職前の給与を基に計算され、1日あたりの上限がある(60歳未満で6,395円、60歳以上65歳未満で5,710円 ※2024年8月1日現在)
シミュレーション例
- ケース:33歳、前職で8年勤続、自己都合退職
- 所定給付日数:90日
- 基本手当日額:6,000円
- 給付残日数80日で再就職(80日=90日-10日受給)
6,000円 × 80日 × 70% = 336,000円
- 給付残日数40日で再就職(40日=90日-50日受給)
6,000円 × 40日 × 60% = 144,000円
支給残日数が多ければ多いほど、支給率も上がり、手当額が増えます。
再就職手当の申請方法

STEP1:就職が決まったらハローワークへ届け出
雇用保険の受給中に新しい職場が決まったら、基本的には入社日の前日までにハローワークへ申請します。提出する書類はおもに下記です。
- 採用証明書:「雇用保険受給者のしおり」に同封、またはハローワークHPからダウンロードし、再就職先の企業で必要事項を記入してもらう
- 雇用保険受給資格者証
- 失業認定申告書
STEP2:「再就職手当支給申請書」を再就職先に記入してもらう
ハローワークで「給付残日数」などを確認したうえで受給資格があれば、「再就職手当支給申請書」が交付されます。これを事業主(再就職先)に記入してもらいましょう。「1年を超えて働く見込み」や「関連会社ではないこと」を証明する書類をお願いされる場合があります。
STEP3:ハローワークへ最終提出して支給決定を待つ
「再就職手当支給申請書」と「雇用保険受給資格者証」をそろえ、ハローワークに提出します。1カ月程度の審査期間を経て「再就職手当支給決定通知書」が届き、指定口座に振り込まれる流れです。なお、再就職日(入社日)の翌日から原則1か月以内に手続きを終えるのが基本となります。
再就職手当に関するQ&A

Q1. 申請期限を過ぎてしまったらどうなるの?
本来の申請期限は就職日(入社日)の翌日から1か月以内です。ただ、期限を過ぎても就職日の翌日から2年間は受け付けてもらえる場合があります。しかし通常より支給が遅くなるうえ、他の給付との兼ね合いで不利になるケースも。なるべく早めに手続きしましょう。
Q2. 申請中に退職してしまった場合は?
まだ支給決定の連絡が来る前に退職したときは、一度ハローワークに相談を。再就職手当をもらわずに失業手当の日数を残したい場合、改めて“受給手続きを継続”して失業手当をもらうことも可能。反対に、そのまま再就職手当を受給する道もありますが、そのぶん所定給付日数が差し引かれます。
Q3. 自力で再就職先を見つけてももらえる?
ハローワークや民間の職業紹介事業者を介さず、自分でネット検索や知人の紹介などで就職先を見つけた場合でも、待期期間後(自己都合なら1か月以降)の就職で所定の要件を満たすなら受給対象です。
Q4. 開業した場合は?
再就職ではなく、フリーランスや起業した場合も所定の要件を満たせば受給可能です(会社都合退職なら待期7日満了後から、自己都合退職ならさらに1か月経過後などの条件あり)。ただし、支給残日数が3分の1以上あることは変わりませんし、あらかじめハローワークに相談しておくのが安心です。
早期就職をサポートする再就職手当を賢く使おう
再就職手当は、「失業手当をすべて受け取るよりも早く再就職したい」という方を応援するための仕組みです。金額がまとまっており、しかも非課税のため、新生活の資金にも大いに役立つでしょう。 とはいえ、焦って条件の合わない職場を選んでしまうと、すぐ退職してしまい手当日数の残りも少なくなるリスクがあります。失業期間をなるべく短くしつつ、自分に合った働き方を見つけることが大切ですね。
ご自身のキャリアプランや家計の状況に合わせ、「再就職手当をさくっと受給して転職」か、「じっくり探して失業手当を長めにもらう」か、じっくり検討してみてください。もし疑問点があれば、ハローワークに遠慮なく質問しましょう。皆さまの再就職が、より良い形でスムーズに実現するよう願っています。
「高年齢求職者給付金(高齢者失業手当)」で安心を!
「65歳を過ぎて退職したら失業手当は受け取れない」と思い込んでいませんか?
実は、65歳以上でも雇用保険に加入していた方は 「高年齢求職者給付金」 を受け取れる可能性があります。ここでは、知っておきたい5つの魅力をコンパクトに紹介します。
1. 受給条件がゆるやか
失業手当(基本手当)は離職前2年間に通算12か月以上の雇用保険加入が必要ですが、高年齢求職者給付金は 離職前1年間に通算6か月以上 でOK。1か月の要件も「賃金支払日が11日以上あればカウント」とハードルが低く、短時間勤務やパートの方でも達成しやすいのが特徴です。
2. 一括で受け取れるスピード感
64歳までの失業手当は4週間ごとの失業認定が必須ですが、高年齢求職者給付金は 一時金としてまとめて支給 されます。ハローワークへ何度も通う必要がなく、再就職活動や生活設計にすぐ役立てられるのが大きなメリットです。
支給額の目安
- 賃金日額の50~80%×所定支給日数(加入月数で決定)
- 令和6年8月1日以降の賃金日額上限は 2,295円〜7,065円
例)賃金日額10,000円の場合、約21~35万円 を一括で受給できる試算になります。
※離職後の申請が遅れると減額の可能性があるため、早めの手続きが肝心です。
3. 年齢上限なし・何度でも受給可能
高年齢求職者給付金には 回数制限も年齢上限もありません。一度受給後に再就職しても、条件を満たせば再び受給できます。70代でも活用例があるなど、「生涯現役」をサポートする制度と言えます。
4. 公的年金と併給できる
通常の失業手当は公的年金との同時受給が制限されますが、高年齢求職者給付金は 年金を減額・停止されることなく受給可能。年金に“プラスワン”の収入が得られるため、生活防衛に役立ちます。
5. マルチジョブホルダー制度なら「働きながら」も受給可
複数事業所での勤務時間を合算して雇用保険に加入できる マルチジョブホルダー制度 を利用していれば、退職した一つの事業所分について給付金をもらいながら、ほかの職場で働き続ける選択肢も。条件によって対象外になるケースもあるため、事前にハローワークで確認しましょう。
退職後の自立を後押しする心強い制度
高年齢求職者給付金は金額こそ現役世代の失業手当より少ないものの、受け取りやすさと柔軟性 が魅力の制度です。「高齢だから」「年金があるから」と思わず、まずは自身が対象になるかチェックしてみてください。知らないままに受給機会を逃すのはもったいない話。人生後半も“自分らしく働き続ける”ための選択肢として、ぜひ賢く活用しましょう。