十勝の人口は31万7,374人となり、3年連続で全19市町村が人口減少となりました。しかし、その一方で移住相談は増え続け、TCRUでは毎月20件以上の相談が寄せられています。実際に2026年は8人が十勝へ移住就職しました。人口減少が続く今、なぜ十勝は選ばれているのか。最新データと現場の実感から、その理由を読み解きます。
十勝の人口は減っています。

総務省の住民基本台帳によると、2026年1月1日時点の十勝19市町村の人口は31万7,374人。前年から1.20%減少し、3年連続で全19市町村が人口減少となりました。
全国の減少率(0.45%)、北海道全体(0.96%)と比べても、十勝の人口減少はやや大きくなっています。
数字だけを見ると、「十勝は衰退している」と感じるかもしれません。しかし、人口の中身を詳しく見ると、違った姿が見えてきます。
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「自然減」と「社会減」の比較

今回の人口動態で最も注目すべきなのは、社会減が前年より改善したことです。
出生数が死亡数を下回る「自然減」は前年より拡大しました。一方で、転入・転出による「社会減」は緩やかになっています。
その背景には、外国人労働者の増加があります。
十勝19市町村のうち18市町村で外国人の人口が増加し、十勝全体では4,526人と前年比13.5%増加しました。
つまり、十勝では今も「働く人」が求められているということです。
人口減少が続く中でも、新得町、中札内村、更別村、幕別町の4町村では社会増となりました。
新得町では社会増44人のうち43人が外国人。農業や建設業に加え、冬季はスキーリゾートで働く人材の受け入れも進んでいます。
幕別町では農業や民間企業での外国人雇用が増え、広尾町では農業・水産業・製造業・介護分野で外国人材が地域を支えています。
人口減少という数字だけでは見えませんが、地域経済は今も人材を必要としています。
十勝には「働く場所」がある

十勝は都市と自然の距離が近い地域です。
帯広市を中心に商業施設や医療機関、教育機関が整い、生活に必要なものはほとんど揃います。一方で、少し車を走らせれば畑や牧場、日高山脈の雄大な景色が広がります。
通勤時間が短く、住宅価格や家賃も都市部より抑えられるため、暮らしにゆとりを持ちやすいことも魅力です。
十勝では多くの自治体が子育て支援に力を入れています。
子ども医療費助成や住宅補助、保育環境の充実など、それぞれの町が特色ある制度を整えています。
今回の人口動態では、中札内村の人口減少率が十勝で最も低くなりました。
中札内村では帯広市へ通勤しながら、子育て支援や住宅補助を活用して暮らす20〜30代世帯が増えていると分析されています。
「帯広で働き、近隣町村で暮らす」
そんな新しいライフスタイルも十勝では定着し始めています。

人口が減っているから仕事が少ない。
そんなイメージを持つ人もいるかもしれません。
しかし実際は逆です。
十勝では農業、食品加工、物流、建設、医療、福祉など、地域を支える産業で慢性的な人手不足が続いています。
今回の人口動態でも、外国人材の増加によって社会減が改善していることは、「働く場所」が今も多く存在していることを示しています。
人口減少は、企業にとっては人材確保が課題となる時代に入ったことを意味しています。
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TCRUにも移住希望者が増えています
人口減少が続く一方で、「十勝で働きたい」という人は確実に増えています。

TCRUが2026年に移住マッチングサービス「SMOUT」と連携して以降、移住相談や求人応募は毎月20件以上寄せられるようになりました。
実際に、十勝の牧場へ5人、地元食品加工会社へ3人が移住を伴って入社しています。
全国から「北海道で暮らしたい」「自然の近くで働きたい」「子育て環境を変えたい」といった相談が届いており、十勝への関心は年々高まっています。
一方で、移住希望者が増えたことで、新たな課題も見えてきました。
人材不足でも、ミスマッチは起きている

十勝では多くの企業が人材を必要としています。
しかし、「人が足りない」と「誰でも採用できる」は同じではありません。
実際の相談内容を見ると、希望する仕事内容や待遇、年齢、経験と、企業が求める人物像との間にギャップがあり、マッチングに至らないケースも少なくありません。
特に目立つのが、50歳以上の移住希望者です。
TCRUに寄せられる移住相談の約3割は50代以上ですが、企業側には「年齢」を採用判断の一つとして気にする傾向があり、ミスマッチにつながるケースがあります。
しかし、見方を変えれば、50代はあと10〜15年にわたって第一線で活躍できる世代でもあります。
これまで培ってきた経験を生かし、現場のプレーヤーだけでなく、マネジメントや管理職、若手を育成する指導役として力を発揮できれば、慢性的な人手不足に悩む十勝の企業にとって大きな戦力になる可能性があります。
人口減少が進むこれからの時代は、「若さ」だけではなく、「経験」をどう地域で生かすかも重要なテーマになっていくでしょう。
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これからの移住は「人を選ぶ」から「人を生かす」へ

人口減少が続く十勝では、企業も変化を求められています。
これまでは年齢や業界経験を重視した採用が一般的でした。しかし今後は、多様な人材が持つ経験や強みをどう生かすかという視点が、企業の成長を左右する時代になっていくでしょう。
一方、移住希望者にも、自分の経験が十勝でどのように役立つのかを具体的に伝えることが求められます。
TCRUは、求人情報を掲載するだけでなく、企業と求職者が互いの価値観や将来像を理解し、より良いマッチングにつながる場を目指しています。