日本の宇宙ビジネスの最前線のひとつ北海道大樹町で新たな動きが起こっています。同地の北海道スペースポート(HOSPO)の運営会社スペースコタンは、JAXA宇宙科学研究所による革新的なロケット試験が成功を収めたことを発表。さらに国内最大級の宇宙ビジネスカンファレンス「北海道宇宙サミット」が2024年も開催されることが決定しました。宇宙への門戸を広げる十勝の動きからは、地域を超えた大きな期待が寄せられています。
北海道大樹町が、再び宇宙ビジネスの舞台として脚光を浴びています。民間に開かれた商業宇宙港「北海道スペースポート(HOSPO)」を開発・運営するベンチャー企業「SPACE COTAN(スペースコタン)小田切義憲社長」は3月21日、HOSPOで、宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙科学研究所の森田泰弘専任教授による「LTPロケット3号機」の弾道飛行試験が成功裏に行われたと発表しました。
この試験は3月17日に実施され、ロケットは最大高度約5000メートルに到達し、重要なデータを地上に送信。これは、低融点熱可塑性推進薬(LTP)を用いた革新的な固体ロケット燃料の性能を検証するもので、固体ロケット燃料の製造期間を大幅に短縮し、低コストでの量産を目指す重要なステップだそうです。
©宇宙科学研究所森田研究室
さらに十勝は、宇宙ビジネスにおける国内最大規模のイベント「北海道宇宙サミット」の開催地としても注目を集めています。このカンファレンスは、大樹町、スペースコタン(運営会社)、とかち財団、十勝毎日新聞社によって運営され、今年で4回目を迎えます。
地元紙 十勝毎日新聞によれば、3月21日に「北海道宇宙サミット」の実行委員会総会が開かれ、10月に再び開催されることが発表されました。
前回のサミットには、過去最多の1100人が現地に、3300人がオンラインで参加し、81社・団体が協賛しました。今回も、米国、欧州、アジアのロケット事業者や宇宙港運営者など、多数の海外関係者が招待される予定で、国際色豊かなイベントになる見込みです。
こうした動きは、まさに十勝地域における宇宙ビジネスの盛り上がりを象徴しています。宇宙をテーマにした試みは、地域経済に新たな活力をもたらし、宇宙港中心のまちづくりを目指す大樹町の野心を反映。宇宙サミットの成功は、北海道が宇宙ビジネスの中心地としてのポテンシャルを世界に示す機会となり、今後も続く宇宙関連事業の発展に大きく貢献することでしょう。