日本は100年以上続く企業が非常に多く、世界の100年企業の約40%を占めているのを知っていますか?まさに日本は100年企業大国なんです。歴史ある企業は、当然ながら戦争や高度経済成長を経てオイルショック、バブル崩壊、大災害、新型コロナウイルスなど様々な社会問題に直面しながらも、生き残ったパワフル会社です。今回は日本の100年企業を軸に解説しつつ、北海道の100年企業についても紹介していきます。
東京商工リサーチによると2023年に周年(50周年および100年単位)を迎える企業は、全国で3万1,136社あり、そのうち、50周年が2万8,476社(構成比91.4%)、100周年は2,649社(同8.5%)だったそうです。ちなみに、200周年9社、300周年1社、400周年1社と、200周年以上はわずか11社しかありません。
100年前の1923年は、第一次世界大戦後の不況のなかで9月1日には、関東大震災も発生。その後も世界大恐慌、第二次世界大戦と、未曽有の厳しい時代を生き抜いた逞しい企業群です。
冒頭でも伝えた通り、日本は100年以上続く企業が非常に多く、世界の100年企業の約40%を占めています。特に、製造業、卸売業、小売業などが多いのが特徴です。これらの業種の中で、特に食料品や飲料、たばこや飼料製造業が急増し、その後の工業化を経て、繊維工業や木材、木製品製造業の需要が増加しました。
長寿企業の特徴として、「顧客を第一に考える正直な経営方針」「従業員を大切に考える社風」「時代の流行に乗り適応するチャレンジ精神」が挙げられます。顧客のニーズを理解し、市場の動向に柔軟に対応する能力が、これらの企業を長く存続させています。100年企業のメリットは、その長い歴史からくる知名度、信頼性、伝統などがあります。
一方で、保守的で新しい文化を取り入れにくいという印象を持たれがちです。とはいえ、そこは100年成長してきた企業です。温故知新。過去の経験を生かしながら、新たな技術を取り入れてきたからこそ100年続いたことを知ってください。
日本の100年企業が多い理由の一つとして、「他国による侵略・植民地化がなかった」という事実が挙げられます。侵略や植民地化がなければ、企業は事業拡大に専念できます。もう一つの理由は、伝統的な家督相続の文化です。長男が家業を引き継ぐ家督相続の風習が、企業の継続を支えてきました。
日本の100年企業は、その長い歴史と伝統に裏打ちされた匠の技を持っており、働く従業員にとっても安定した環境を提供しています。これらの企業で働くことは、日本の文化と歴史を肌で感じながら、長く安定したキャリアを築くことにつながるでしょう。
日本には世界でも類を見ない長い歴史を持つ企業が存在します。その中でも、特に注目されるのが「金剛組」という企業です。
概要: 金剛組は、奈良県に本社を置く日本最古の建築会社です。創業は飛鳥時代にまで遡り、法隆寺などの有名な寺院建築に携わってきました。現在も、伝統的な技術を守りつつ、現代建築にもその技術を活かしています。
日本は、多くの歴史ある企業が存在する国です。ここでは、代表的な100年企業のいくつかを紹介します。
1917年創業の醤油トップブランド。現在は醤油以外にも多岐にわたる調味料や食文化の発展に貢献しています。国内外で高い信頼と愛されているブランドです。
1723年創業の香川県最大級の寝具専門店の筑前屋は、300周年。江戸幕府8代将軍、徳川吉宗の時代からの起業です。
400年以上の歴史を持つ醤油製造業。淡口醤油を発明したパイオニア企業として知られ、顧客第一をモットーに社会貢献を続けています。
1560年創業の日本最古の金属系製造業。代々の技術を生かし、現在は精密治具などを製造。伝統技術は国際組織で認められています。
1896年創業の菓子製造業。あずきを扱った製品で知られ、「あずきバー」は全国的に有名です。幅広い事業展開を行い、国民に愛されています。
1923年創業の富士電機は、パワーエレクトロニクス機器、地熱、水力などの再生可能エネルギー関連の発電プラント設備を手掛け、地熱発電設備は世界シェア首位。23年3月期の売上高1兆94億円と念願の1兆円の大台に乗りました。
1913年創業の織物製造販売業者。女性が多く在籍しており、女性が働きやすい職場環境を提供しています。
100年企業は、さまざまな困難を乗り越えて発展してきました。その歴史と伝統は、日本の経済成長とともに歩んできた証です。100年企業で働くことは、安定したキャリアの形成だけでなく、匠の技と歴史を肌で感じることができる貴重な経験となります。これらの企業は、中小企業である場合が多く、地域社会に根差した活動を行っています。日本の100年企業で働くことは、安心と信頼をベースにしたキャリアを築く絶好の機会と言えるでしょう。
100年以上続く企業には、いくつかの共通点があります。これらは、100年以上の企業が生き残り、事業を拡大し続けた秘訣とも言えます。
100年企業は、新しい文化や考えを柔軟に取り入れています。SNSやオンラインツールの活用により、消費者ニーズに合わせたサービスや広告を展開している例が多く見られます。
経営理念をしっかり持ち、従業員に理念を浸透させる企業が多いです。これにより、同じ方向性で進むことが可能となり、生産性の向上につながります。
多くの100年企業は、創業地に本社を置き続けることで地域の顧客から親しまれています。地域の信頼と知名度の向上が長寿企業の要因です。
9割の100年企業が親族経営です。代々引き継がれる企業は、長期的な視点で成長を目指し、団結力を持って事業を運営しています。
長寿企業は、顧客や取引先との信頼関係を大切にし、リピーターとなる顧客を大事にしています。
経営理念の継承は、企業の色や道を定め、従業員が集まりやすくなります。また、社外からの信頼やイメージも定着しやすくなります。
創業年: 1918年(大正7年)に帯広市で創業。
建設業の道理: 萩原建設工業は「建造物を通して人々の安全・安心を確保し、さらに幸せにする」という建設業の原則を堅守しています。
事業の多様性: 土木工事から住宅建設まで、多岐にわたる建設事業を展開。
社会インフラの貢献: 安全な橋や道路の建設から、快適な住宅の提供まで、地域社会の安全と幸福に貢献しています。
萩原建設工業株式会社は、その長い歴史を通じて培った知識と経験を活かし、未来においても地域社会の発展に貢献し続けることでしょう。
日本の100年企業は、これらの共通点を持ち、時代の変遷に柔軟に対応しながらも、その根底にある伝統や理念を守り続けています。このような企業で働くことは、安定したキャリアと共に、匠の精神や歴史の深さを学ぶ絶好の機会です。日本の100年企業で働き、その長い歴史の一部となることを考えてみてはいかがでしょうか。