バブル後の厳冬期に社会へ出た就職氷河期世代。正社員率は4割台前半、平均年収は同年代比▲58万円。─残るハンデをどう覆すか。2025年4月の行動計画改定と助成金拡充、自治体・企業の正社員化モデルを網羅し、リスキリング5ステップと体験談で“逆転シナリオ”を描きました。楽を選べば後でしっぺ返し──だからこそ、ここから巻き返そう!
1993〜2004 年に新卒期を迎え、長期不況で採用枠が激減した約1,700万人。内閣官房資料では「現在も不安定就労や長期無業の状態に置かれやすい層」と定義されています。
*60歳時点で年金等含む可処分所得200万円未満
「時給は高いし責任も軽い。派遣が最高だと思ってた――」
「派遣はすぐ切られる。2年働いた職場を“ポジション消滅”で追い出された」
K君は20代から“高時給×残業ゼロ”を選び続けた結果、40代で派遣先の契約満了→次案内ゼロ。就活では「40代・実務3年ずつの渡り鳥」は敬遠され、ようやく決まった仕事は倉庫の夜勤。「転職サイトで年下正社員の年収を見て胃が痛い」と嘆く。
「派遣歴25年。“収入が下がる”と正社員を全部断ったけど、年金の試算を見て青ざめた」
派遣IT技術者として高時給を享受したMさん。ところが50代に入り案件単価が頭打ち、健康保険と厚年の“空白期間”が発覚。慌てて受けた正社員条件は年収-120万。「派遣のままが楽」という選択が、老後資金をじわじわ削っていた。
「今日、派遣先から年内で契約終了と言われた。『自分で辞めたい』と悩む前にクビが飛んだ」
“いつか正社員に”と口にしながら動かず、更新を重ねて28ヶ月目。派遣元経由の“一方的終了”に呆然。「次が決まらなければ生活保護か実家帰還か」とブログに綴る日々だ。
“ラク”の複利は負債として返ってくる。――それが同世代のリアルである。
キャリア心理学者「40代以降の賃金差は“学び直し継続年数”で説明できる。5年学び続ければ年収は2倍も珍しくない。目先のラクより、学習コストを払えるかが分水嶺。」
厚生労働省「労働白書」より作表
*1990年の就職率は調査未実施
わずか10年で 求人倍率は3分の1、就職率は3.4pt低下。バブル崩壊後、企業は採用枠を絞り「募集ゼロ学部」も珍しくなかった。
結果:90 年前半と後半を比較すると、20 代の非正規比率は1.5倍。全体所得が下がりデフレを加速させ、企業はさらにコスト圧縮へ―悪循環が続いた。
氷河期は「大量採用の団塊世代」と「バブル期組」の狭間で昇進競争でも不利。一方で “慎重・貯蓄好き” のライフスタイルが特徴とされる。
当時「求人票ゼロ」で肩を落としたあの日から20余年。数字を知り、戦略を立て直せばまだ間に合う。
Q1. 助成金だけを目的に転職すると危険?
返還条件(在籍1〜3年)を満たさないと全額返金。制度→キャリアの順で考える。
Q2. 50 歳で正社員化は現実的?
2024 実績で「50 代採用」比率は 9.7 %だが、IT・介護では増加傾向。
Q3. 公共職業訓練の費用は?
授業料0円、テキスト代のみ。失業給付+交通費支給あり。
“不遇世代”というレッテルを“再成長世代”へ塗り替えるのは、あなた自身だ。今すぐ行動を!