北海道十勝地方の秘宝「モール温泉」が世界のステージに躍り出ようとしています。北海道遺産でもあるモール温泉の特別な泉質は、その美肌効果や健康への利益が特に注目されています。今、帯広市を中心に、モール温泉の素晴らしさを世界に広めようという若きプロモーターたちが集結。その中心にいるのは、フットサル選手でありながら十勝の秘湯をPRするための情熱的な取り組みを展開する弱冠25歳の小松勇斗さんです。
まずは、モール温泉について解説しましょう。モール温泉は、その珍しい泉質と歴史的背景で、温泉愛好家の間で特別な位置を占めています。特に北海道十勝地方にあるモール温泉は、世界的にも希少な存在で、美肌効果や健康への利益が注目されています。その起源や効能、帯広市における特別な存在感について探ります。
モール温泉は、葦や亜炭などの植物が堆積してできた層を通って湧き出る温泉です。「モール」という名前はドイツ語の「亜炭」を指す言葉に由来しており、その泉質は植物性有機物が豊富に含まれています。十勝川温泉周辺では、アイヌ民族がこの湯を「薬の沼」と称しており、動物たちも自然にこの湯で傷を癒やしていたと言われています。
モール温泉の泉質は、アルカリ性のナトリウム塩化物・炭酸水素塩泉で、弱アルカリ性低張性高温泉に分類されます。この泉質は、肌に潤いを与え、天然の保湿効果をもたらします。また、炎症を和らげ、皮膚のトラブルを改善する効果も期待できるからこそ、美人の湯と言われているんです。
モール温泉は世界的に珍しい泉質で、特に集積している地域はドイツと日本の十勝地方にしかありません。そんなモール温泉ですが、北海道帯広市では、駅前のどのホテルでもモール温泉を楽しむことができ、市内の銭湯が全てこの特別な温泉であるという点は、他の地域にはない特色です。
モール温泉は、神経痛、筋肉痛、関節痛などの緩和に効果があります。また、疲労回復、健康増進、冷え性、慢性婦人病などにも良いとされており、リラクゼーション効果も高いです。
十勝川温泉をはじめとする北海道のモール温泉は、その希少性と豊かな効能で注目されています。自然と共生し、長い歴史を持つこの特別な温泉は、地域社会と共に大切に守られています。美肌効果や健康への利益を求め、十勝地方のモール温泉を訪れることは、まさに特別な体験と言えるでしょう。そんなモール温泉をもっと伝えたい!と立ち上がったのが小松勇斗さんです。
北海道十勝地方から、モール温泉の魅力を世界に伝える熱い情熱を持つ若者が現れました。その名は小松勇斗さん、25歳。フットサルリーグの北海道大会で優勝したSorpresa十勝で活躍するフットサル選手でありながら、「モール温泉を世界へ」とPRするための革新的な取り組みに挑んでいます。
勤務先である地方創生ベンチャーの株式会社そらの子会社「ふく井ホテル」にてモール温泉の魅力に触れた小松さんは、その可能性に目を向け、積極的なPR活動に立ち上がりました。彼の情熱は、地域を超え、さらに大きなスケールでの事業構想につながっています。
事業創造と起業家の輩出を目的にはじまったプログラム「とかちイノベーションプログラム(TIP)2023」に参加し、自身の事業構想を発表した小松さん。そして、発表日に大きな注目を集めたのが「移動式モール温泉足湯事業」です。これは、観光客だけでなくスポーツイベントでの需要も見込んだ斬新なアイデア。すでに帯広の中心街イベントで実証実験を行い、手応えを感じているといいます。
「列車の車掌経験を生かし、将来的には足湯列車の企画も考えています。“モールバレー"を形成し、十勝・帯広の新たな魅力を創出したいです。モール温泉が地域の人々や観光客に愛される存在になるよう、全力で取り組んでいきます」と小松さん。
発表後、小松さんは馬車で帯広市中心部を巡る「馬車BAR」の運行にも着手。足湯を設置し、乗客が街の景色を楽しみながら温泉に浸かるというユニークな体験を提供しました。この試みは、十勝の観光資源である馬文化とモール温泉を組み合わせ、地域を活性化するための一環です。
小松さんは、フットサルリーグ北海道大会で優勝した「Sorpresa十勝」の選手でもあります。彼はスポーツの世界での経験を活かし、地域密着型のクラブ運営や若手選手の育成にも尽力。そんな小松さんに、今後について聞くと……。
「モール温泉の魅力を広く伝えるだけでなく、地域経済の活性化にも寄与していきますよ。Sorpresa十勝は、北海道及び十勝地区の地域密着型クラブです。つまりは、地域を盛り上げるという点では、モール温泉事業と同じ。僕にとっては十勝の新たな顔となることをスポーツとモール温泉を通して担って行きたいんです」(小松さん)
12/10 (日)には、『理想の未来フェス』とかちプラザにてモール足湯イベントを開催します。
小松さんにとっては、「二兎を追うものは一兎も得ず」ではなく「二兎を追って二兎とも得る」なのでしょう。それだけの情熱溢れる小松さんから、今後も目が離せませんね。
帯広市出身、帯広北高校を卒業後JR北海道へ就職、新得駅や釧路札幌間を乗務する車掌として5年働いた後に、株式会社そらの子会社ふく井ホテルに就職。「Sorpresa(ソルプレーサ)十勝」とふく井ホテルの認知度向上を目指し、そして十勝の宝モール温泉を広げる先駆者になるために、多くの看板を背負い十勝の魅力を沢山の方に伝えていきます。