二拠点生活を始めるにあたって、住民票は移すべきか、そのままでよいのか迷う人も多いでしょう。結論から言うと住まいが2つあっても、住民票を置けるのは原則として1か所のみです。どこに置くかは「生活の本拠」がどちらにあるかを基準に考えます。
そこで、二拠点生活における住民票の基本的な考え方と、子どもがいる場合や海外に拠点を持つ場合の注意点をわかりやすく解説します。

二拠点生活をしていても、住民票を置ける自治体は原則として1か所のみです。住まいが2つあっても、住民登録上の住所はどちらか一方になります。
民法22条では、住所は「生活の本拠」によって定まるとされています。二拠点生活で住民票をどこに置くかを考えるうえでも、どの拠点が生活の本拠といえるかを整理することが大切です。
参考:民法22条

二拠点生活で住民票をどこに置くかは、基本的に「生活の本拠」がどちらかで考えます。判断するときは、まず本人がどちらに長く滞在するかがひとつの目安になります。
ただし、住民票は滞在日数だけで決まるものではありません。次のような点もあわせて、生活の中心がどちらにあるかを考えます。
もちろん、これらの要素が片方の拠点にきれいにそろうとは限りません。住民票をどこに置くかは、本人の滞在日数を目安にしつつ、家族も含めた生活全体を見て、どちらが「生活の本拠」といえるかで考えるのが基本です。
住民票を移すときは、次のような手続きが必要になります。
住民票の異動にあわせて必要になる手続きはさまざまあるため、あらかじめ確認しておくと安心です。
二拠点生活で住民票の住所を移す際は、会社で手続きが必要かどうかも確認しておきましょう。そのままにしておくと、入社時に会社へ届けている住所と住民票の住所が一致せず、事務処理に支障が出る可能性があります。
たとえば、郵送物の送付先や住民税に関する事務、通勤手当の算定などに影響することがあります。住民票を移す際は、会社への住所変更届など、必要な手続きがないか確認しておくと安心です。

子どもがいる家庭でも、二拠点生活を送ること自体は可能です。ただし、保育園・幼稚園、小中学校など、通園先・通学先によって住民票との関わり方は異なります。そこで、本記事ではそれぞれのポイントについて解説します。
保育園は、住民登録のある自治体で申込みや利用調整を行うケースが多く、住民票の置き場所が手続きに直結しやすいものです。実際に北海道帯広市でも、定期利用保育の対象者を「帯広市在住」としています。
一方、幼稚園は、保育園ほど住民票との結びつきが一律ではなく、園に直接問い合わせて申込みを進めるケースもあります。ただし、園によっては前年の春頃から見学や申込み準備が始まることもあるため、早めに確認しておくと安心です。
また、保育料の無償化や預かり保育に関する給付認定では、居住自治体が関わることがあります。そのため、幼稚園を利用する場合でも、住民票をどこに置くかがまったく無関係とはいえません。
公立の小中学校は、住所地や通学区域との関係が強いため、二拠点生活では特に注意したいポイントです。どちらを生活の本拠にするかによって、指定される学校が異なります。
自治体によっては学校選択制や例外的な就学の仕組みがある場合もありますが、扱いは地域ごとに異なるため、事前に教育委員会や学校へ確認しておくと安心です。
高校は小中学校とは仕組みが異なり、募集要項や応募資格の確認が重要です。
高校によっては「保護者と同居して、都内に住所を有すること」といった形で、応募資格の主な条件として示されています。進学を見据えて二拠点生活を考える場合は、希望する学校や自治体の募集要項を早めに確認しておきたいところです。

海外との二拠点生活では、国内同士の二拠点生活とは住民票の考え方が異なる場合があります。1年以上の海外滞在では、国外転出届が必要とされるのが一般的です。
1年未満で日本に生活の本拠を置いたまま行き来する場合は、住民票を日本に残す扱いになることがあります。もっとも、実際の判断は滞在期間だけでなく、どこを生活の本拠としているかにも左右されます。
迷う場合は、事前にお住まいの自治体へ確認しておくと安心です。

二拠点生活における住民票の置き方にまつわる疑問をQ&Aにまとめました。
Q. 二拠点生活で住民票を移さないのは違法ですか?
A. 一概に違法とはいえません。しかし、住民票は「生活の本拠」となる住所を届け出る前提なので、生活の本拠が移っているのに届出をしない状態が続くのは注意が必要です。転入・転居などの届出は「住み始めた日から14日以内」が目安で、正当な理由なく遅れると過料の対象となる場合があります。
参考:デジタル庁「マイナポータルを通じたオンラインによる転出届・来庁予定の連絡(転入予約)について」
Q. 夫婦で住民票を別にできますか?
A. 夫婦でも、生活実態として別々の地域を生活の中心にしているなら、住民票が別になるケースはありえます。ポイントは「二拠点生活だから分けられる」ではなく、それぞれの生活の本拠がどこかに基づいて考えることです。
Q. 二拠点生活で住民票を実家のままにしても大丈夫ですか?
A. 実家に住民票を置いたままの人もいますが、基本は「生活の本拠」に合わせて届け出る考え方です。生活の中心が実家以外に移っているなら、そのままでよいかを見直したほうが安全です(住民票は行政サービスの基礎にもなるため)。
Q. 賃貸の拠点に住民票を置けますか?
A. 置けます。持ち家か賃貸かではなく、そこが生活の本拠かどうかがポイントです。実際に住み始めたら、転入届・転居届などを14日以内を目安として行う必要があります。
Q. 持ち家がある場合、住民票はどうなりますか?
A. 持ち家があっても、住民票の考え方は基本的に同じで「生活の本拠」に合わせて判断します。なお、住宅ローンでは「居住していること」が前提条件になる場合もあるため、該当するならば金融機関に確認しておくと安心です。

二拠点生活では、住まいとして理想的かどうかだけでなく、無理なく行き来できる場所かという視点が欠かせません。その点、帯広市は大都市圏からのアクセスを確保しやすいエリアです。
札幌からは車でおおむね3時間15分、新千歳空港からは約2時間30分が目安です。東京方面からも、羽田空港からとかち帯広空港まで約1時間30分でアクセスでき、空港から帯広市街地までも車で約30分です。こうした交通条件を踏まえると、首都圏との二拠点生活も現実的な選択肢として検討しやすいでしょう。
暮らしやすさの面でも、帯広は評価されてきた都市です。東洋経済新報社の「住みよさランキング」で北海道内1位と紹介されており、生活利便性と住環境のバランスに注目が集まっています。アクセスのしやすさと暮らしやすさの両面を備えた都市として、帯広市はサブ拠点候補に入れやすい地域といえます。

二拠点生活では、住民票を2か所に置くことはできません。住民票をどこに置くかは、基本的に「生活の本拠」がどちらにあるかという考え方をもとに判断します。判断の際には、本人がどちらに長く滞在しているかを一つの目安にしつつ、次のような点もあわせて確認することが大切です。
大切なのは、本人の滞在日数だけで判断しないことです。家族の状況も含めて生活全体を見たときに、どちらが生活の本拠といえるかを整理することが、住民票の所在地を考えるうえでのポイントになります。迷う場合は、事前に各自治体へ確認しておくと安心です。
また、二拠点生活には、心身のリフレッシュにつながることや、新たな人間関係が広がることなどのメリットが期待できる一方で、注意しておきたいデメリットもあります。以下の記事では、二拠点生活のメリット・デメリットを両面からまとめています。あわせて参考にしてください。