みなさん、こんにちは。TCRU編集部です。今回ご紹介するのは、北海道帯広市から世界の農業を革新しているベンチャー「農業情報設計社」です。アグリテックで世界農業の標準化に尽力する同社。創業から9年。GPS(全地球測位システム)を使ったトラクターの走行ガイドアプリは世界トップレベルのダウンロード数で、世界にユーザーを増やしています。まさに、北海道十勝帯広で、一つの小さな革命が起こっているんです。
「農業情報設計社」― もしかしたら初めて耳にする名前かもしれませんね。この会社は、トラクターの自動運転技術で名を馳せ、未来の農業を形作るアグリテックベンチャーとして注目を浴びているんです。でも、それだけではありません。この会社には、農業への真摯な思いと、その未来に賭ける強い意志があります。
IoTやビッグデータ、ドローンを用いるなど、農業領域でICT技術を活用することをAgriTechと呼びます。AgriTechはAgriculture(農業)とTechnology(技術)を組み合わせた造語であり、すでに数多くの製品やサービスが登場しています。
農業情報設計社は、2014年4月に設立。農家に向けて農作業を支援するシステムを提供し、事業会社に対しては農業機械の情報化・自動化(ロボット化)に関する知見の提供などを行うアグリテック企業。
創業者の濱田安之CEO(最高経営責任者)が「農業者の熟練度によらず、トラクターがまっすぐ等間隔に走ることができれば、農業効率は飛躍的に向上する」との想いを具現化させた、農業機械用ガイダンスナビアプリ「AgriBus-NAVI」を2015年2月にリリースしたことからはじまります。そして、今や同アプリのダウンロード数は世界一なんです。
それでは一緒に、農業情報設計社と、その舵を取る濱田安之さんのストーリーを辿ってみましょう。
2014年、農業情報設計社は濱田さんによって設立されました。濱田さんは長年、農業機械の研究者としてキャリアを積み上げ、トラクターを均等な間隔で正確に走らせる技術を開発。これは農薬や肥料の使いすぎを防ぎ、作物の病気リスクを抑えるという理念のもと生まれた技術なんだそう。
「農薬や肥料を抑えることができれば、作物の品質が高まり、いままで以上の安心・安全の作物を作れます。これが世界中に広まれば、世界規模で体にやさしい作物ができると考えました」(濱田)
とはいえ、道のりは決して平坦ではありませんでした。
初めて開発した農機用ナビゲーターが売れない厳しいスタートを切ったにも関わらず、濱田さんは次のステップへ進みます。それが、GooglePlayアプリ「AgriBus-NAVI」の誕生でした。ローンチ後、瞬く間に広がり、作業の効率化、コスト削減を実現し、世界中の農業者から支持を受けています。2020年には世界一位のダウンロードを記録。農業情報設計社を、世界のアグリテック企業へと押し上げます。
農業情報設計社は、ハード面でも、2019年12月には高精度な位置情報を可能にする「AgriBus-GMiniR」や自動操舵を実現する「AgriBus-AutoSteer」の国内販売を開始するなど、一つ一つの製品で農業者の負担を減らし、農業の未来を変えてきました。農業者の現場に立ち、そのニーズを深く理解し、真摯に応える―それが濱田さんのスタンスです。
「僕たちが目指すのは世界的なクラウドコンピューティングサービスである『AWS(Amazon Web Services)』の農業版です。農業関連企業がアプリケーションやサービスを作る際に必要なコンポーネントを提供し、さらなるイノベーションを生む土壌を作る、それが我々のビジョンです」(濱田)
農業情報設計社チャレンジは止まりません。
農業情報設計社は、農業を豊かにするテクノロジーを全世界に広げ、世界中の農業を支える存在へと進化し続けています。創業から9年。その一環として構築されたAWSを用いた堅牢なバックエンドは、世界中からのアクセスにしっかりと耐えうるものとなっています。
「クラウドの知見をリアルテックに生かしたい。そのために力を貸して欲しい」と濱田さん。彼の言葉は、私たち一人一人に、未来の農業を一緒に創っていく可能性と、そのチャレンジに参加する喜びを呼びかけています。
いかがでしたか?
農業情報設計社の物語は、未来の農業をどう創るか、そしてどう支えるか、そのヒントが詰まっています。彼らと共に、次世代の農業を支え、豊かな未来を築いていくパートナーとなる。その道はきっと、新しい発見と喜びに満ちています。
みなさんも、帯広で一緒に未来を作りませんか?アグリテックで世界トップを目指す、農業情報設計社は、夢を持った皆さんをお待ちしていますよ。