人手不足や輸送力低下といった課題に直面している物流業界。ドライバーの労働時間を規制する制度により、労働力不足が懸念された「2024年問題」を経て、2026年の物流業界は次の段階に差し掛かっています。
いま新たに話題となっている「2026年問題」とは何か?農業や食品の物流が地域の経済を支えている十勝地方や帯広では、どのような影響があるのか?日々の仕事や雇用に直結するトピックについて一緒に考えてみませんか。

物流業界では長年にわたり
といった課題が積み重なってきました。けっして一時的な問題ではなく、少子高齢化が進む日本では今後も続く問題です。
物流業界でいう「2026年問題」とは、このような慢性的な人手不足や輸送力が落ちている状況の中で物流の仕組みを見直し、改善への取り組みが義務化される節目を指す言葉です。
2026年問題を知るうえで欠かせないのが「2024年問題」との違いです。
物流における2024年問題とは、労働基準法の改正によりトラックドライバーの時間外労働に上限(年960時間)が設けられたことで、これまでと同様の輸送量が維持できなくなる問題のことをいいます。実際に物流業界では、スケジュールの変更や人員確保に向けた改革を迫られました。

一方で、ドライバーにとっては悪いことばかりではありません。法改正は健康や安全を守るためのものであり、いわば「これ以上、現場に無理をさせないためのブレーキ」とも言えるものでした。
「2026年問題」はその“次の段階”にあたります。
という前提で「では、どうやって物流を回し続けるのか」という課題に対し切り込んだのが「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化関連法)」の改正です。
国は物流を現場任せにするのではなく、事業者全体で効率化に取り組む仕組みづくりを進めています。その中心となるのが、改正後の「物資の流通の効率化に関する法律(物流効率化関連)」です。
上記の改善を運送会社だけでなく荷主(メーカー・卸・小売・農業法人など)も含めて取り組むべき課題だと法律で示しています。さらに、輸送量が一定規模を上回る事業者に対しては
といった対応が義務化される予定です。一度にすべてが始まるわけではなく、準備期間を設けながら段階的に施行されていきます。
2026年は物流の効率化が努力目標ではなく、実務を行うための前提条件として扱われ始めます。違反した事業者には、最大100万の罰金が科される可能性も。一定以上の輸送量を取り扱う事業者にとっては、経営を揺るがす大問題です。この転換点が「2026年問題」と呼ばれている主な理由となっています。
物流における2026年問題は全国共通の課題です。しかし十勝・帯広ではより早く、よりはっきりと表れる可能性があります。

十勝は、日本有数の農業地帯です。小麦、じゃがいも、豆類、乳製品など、全国へ出荷される農畜産物が多く、物流は生産と同じくらい重要な役割を担っています。
農業や食品関連の物流には、以下のような特徴があります。
大量の輸送を取り扱い、かつ担う工程が多いため、一部でも物流が滞ると生産や販売全体に影響が及びやすい構造といえます。
十勝の物流は、年間を通して一定ではありません。

季節変動の大きさは、慢性的な人手不足が続く中では、大きな負担になります。2026年問題で求められる「効率化」や「計画的な物流運営」は十勝のような地域ほど難しく、しかし同時に重要性も高いのです。

十勝・帯広では、都市部と比べて、
といった課題があります。2026年問題では「人が足りないことを前提に物流を回す」ことが求められますが、十勝をはじめ地方の多くはその条件がすでに現実になっています。
冷蔵・冷凍・保管といった工程は全国の物流で共通して必要なものですが、農業や食品物流の割合が高い十勝では、これらの工程が物流全体の中で占める割合が特に大きいのが特徴となっています。

生乳を例にあげると、殺菌や加工、出荷のタイミングを調整するための一時保管や温度管理が不可欠です。一次産業が多い十勝では単に「運ぶ」だけでなく、品質を保ちながら管理する物流の重要性が高い地域といえるでしょう。
その分、2026年問題で重視されている「輸送の仕組みを見直して全体的な効率化を図る取り組み」によって、今後業務が大きく改善する可能性も秘めています。

物流効率化は全国に課された課題ですが、実際の業務として形にするのは各地域の物流現場、運送会社です。地域の中小企業では、限られた人員で制度へ対応していかなくてはいけません。
といった変化を「実際の業務」として組み込み、実行していく必要があります。十勝・帯広にとって2026年問題は「遠い将来の話」でも「上層部の話し合いだけで済む話」でもないんです。
2026年問題は物流の現場にさまざまな変化をもたらします。一見すると負担が増えるように感じられるかもしれませんが、視点を変えると「物流を支える仕事」の価値が高まる転換点でもあります。
ドライバーだけに頼らない物流体制づくりが求められる現状は、求職者にとってはむしろチャンスです。物流業界でニーズが高まる仕事を見てみましょう。
物流の効率化で欠かせないのは、倉庫や物流拠点の安定した運営です。
といった仕事は、物流の土台を支える役割を担っています。
冷蔵・冷凍を含む管理工程が多い十勝では、「正確に管理し、ミスなく回す力」が特に重要になります。未経験から始められる求人も多く、現場経験を積みながらスキルを身につけやすい点も特徴です。
2026年問題で今後必要だと考えられているのが、物流の仕組みを回す役割です。地方の中小企業では、専用の部署が置かれているケースは多くありませんが、
といった業務は、すでに誰かが日常的に担っています。人手不足が進む中で、こうした役割は更に重要なポジションになっていくでしょう。
在庫管理や事務、物流DXに関わる仕事は、現場で動く物流を「見える化」し、数字や情報で支える役割を担います。
これまで「裏方」と見られがちだった仕事が、物流を成り立たせる中核的な役割として再評価の流れに。体力的な負担が比較的少なく、長く働きやすい点も魅力です。
荷物の積み下ろしや構内移動を担うフォークリフト作業も、物流効率化の中で重要性が高い職業です。フォークリフトの役割によって、物流業界には以下の恩恵が得られます。
フォークリフトの資格を取得することでより仕事の幅が広がり、安定した働き方ができます。
「地方は仕事が少ない」「十勝には求人がない」そんなイメージを持たれがちですが、実態は必ずしもそうではありません。
少なくとも十勝・帯広では、農業や食品、物流、インフラといった暮らしや経済を支える基幹産業が今も地域の中心にあり、多くの現場で人材が求められています。
とくに物流分野は、「2026年問題」によって大きな転換期を迎えています。
道東自動車道や帯広・広尾自動車道の延伸、帯広空港や港湾整備など、十勝では陸・空・海の物流基盤が着実に強化されつつあり、農畜産物の一大生産地として、道東圏の物流拠点としての役割も高まりつつあります。
問題は「仕事がなくなること」ではなく、「これまでのやり方では回らなくなる」という構造の変化です。

物流が回らないと嘆くのか、自らがその一員として地域の経済を支えるのか。その選択肢は、すでに目の前にあります。
十勝・帯広で仕事を探すなら、地域に根ざした求人が集まる TCRU を活用するのも一つの方法です。2026年問題をきっかけに、十勝で働くという選択肢を、改めて考えてみてはいかがでしょうか。