北海道の最低賃金ついに1,075円。その時
給、あなたは“もらえる側”？

「10月4日から、時給が上がったらしいぞ！」そんなニュースを聞いて、つい口元がゆるんだ人も多いはず。

でも、ちょっと待って。“最低賃金が上がる”というのは、あなたの給料が上がることとは別の話です。北海道の最低賃金は、2025年10月4日から時給1,075円。全国平均も1,121円と過去最高を更新。すべての都道府県でついに1,000円の大台を突破しました。

「おめでたいニュース」と言いたいところですが、物価も電気代も牛乳も上がるこのご時世。もはや、“賃上げ”という言葉の響きには、ちょっとしたぬか喜びの香りが漂います。では、この「最低賃金アップの波」を、どうすれば“飲み込まれず”“乗りこなせる”のか？その鍵は、ニュースの外側——「自分の時給を自分で上げる力」にあります。

北海道はついに1,075円。賃上げの波はどこまで届く？

北海道労働局によると、2025年10月4日から最低賃金は1時間あたり1,075円に改定されます。

昨年より65円アップ。ここ数年では異例の伸びです。

全国平均では1,121円（＋66円）

最高は東京1,226円、最も低い県でも1,023円（沖縄・宮崎など）と、ついに全国すべての都道府県で1,000円超え。

「全国民がついに時給1,000円時代！」と胸を張りたいところですが、ここに冷静な事実をひとつ。

牛乳も、ガソリンも、弁当も、家賃も、光熱費も、もう“1,000円時代”に突入しています。

賃金よりも、物価の方が先に走っている。この現実を、私たちは無視できません。

“時給1,000円超え”が意味するのは、祝福ではなく「選別」

最低賃金の上昇は、一見「全員の勝利」のように聞こえます。けれど実際は、市場の目線が上がるということでもあります。

1時間あたり1,075円払う価値がある人なのか。その判断を、社会は静かに始めています。

「努力せずとも給料が上がる時代」ではなく、「努力しない人が、置いていかれる時代」。

“時給が上がる”とは、言い換えれば“ふるいが細かくなる”ということです。仕事を選ぶ側から、選ばれる側にまわる。賃上げのニュースの裏にあるのは、その構図です。

「自分の時給」を上げるのは会社じゃない。あなた自身だ

賃上げの波は、サーフィンの波と同じ。乗れる人は高く跳び、乗れない人は押し流される。

そして波を乗りこなすには、技術が要ります。いま求められているのは「スキルアップ」ではなく、“現場価値アップ”です。

たとえば、

• 接客の人なら「売上を生む提案ができる人」
• 経理の人なら「数字で改善を導ける人」
• 牧場勤務の人なら「作業効率を1日10分縮められる人」

資格よりも、変化を生み出す力。それが、あなたの「本当の時給」を押し上げます。

「給料が上がらない」と嘆く前に、上げ方を知ろう　自分の時給を上げる30日ロードマップ（職種別）

営業職：30日で“数字を動かす”営業へ

• Day1〜5：過去3ヶ月の成約データを分析。自分の勝ちパターンを発掘。
• Day6〜10：上位顧客10社の“購入理由”を聞く。根拠を言語化。
• Day11〜15：提案資料の冒頭に「お客様の課題→解決」構成を導入。
• Day16〜20：1日1件、上司や同僚に“提案の改善”フィードバックをもらう。
• Day21〜25：訪問後3日以内にフォロー提案を送る習慣をつける。
• Day26〜30：成約単価を1件あたり3％上げる“言葉”を磨く。

“気合いの営業”から“再現できる営業”に進化。

牧場従業員：30日で“効率×安全”を極める

• Day1〜5：作業手順を1工程ずつ動画に撮り、時間を測定。
• Day6〜10：1日10分早く終わる“順番変更”を考案。
• Day11〜15：上司に提案→テスト運用。結果を数字化。
• Day16〜20：搾乳・給餌の記録をデジタル化（スマホメモでもOK）。
• Day21〜25：後輩への指導手順をマニュアル化。
• Day26〜30：作業効率改善を報告書にまとめて提出。

 “作業員”から“生産性リーダー”へ。

経理職：30日で“数字を読める人”になる

• Day1〜5：自社のPL（損益計算書）を読み込み、“利益率”を把握。
• Day6〜10：経費科目ごとの月次推移をグラフ化。
• Day11〜15：上司・経営層に「1分で伝わる報告書」を作成。
• Day16〜20：業務のルーチン化（定型文・ショートカット設定）。
• Day21〜25：AI・RPAツールを1つ試す（ChatGPT・freee・マネフォ等）。
• Day26〜30：改善提案を1件提出。「数字で語る経理」に。

 “処理する人”から“経営を動かす人”へ。

調理師：30日で“厨房の企画者”になる

• Day1〜5：食材原価を計算。ロス率を可視化。
• Day6〜10：1品だけ、低原価で“人気メニュー”を設計。
• Day11〜15：仕込み順序を見直して調理時間を5分短縮。
• Day16〜20：盛り付け・照明を工夫してSNS映えを意識。
• Day21〜25：常連客に「また食べたい」理由を聞く。
• Day26〜30：月1新メニュー提案を習慣化。

“作る人”から“店を伸ばす人”へ。

事務職：30日で“業務効率化の旗振り役”に

• Day1〜5：1日のタスクを分単位で記録。ムダ時間を特定。
• Day6〜10：定型文・Excel関数・ショートカットを1つずつ習得。
• Day11〜15：毎朝5分の“前倒し処理”を習慣化。
• Day16〜20：チーム共有フォルダを整理（命名規則を決定）。
• Day21〜25：上司に「報告のフォーマット」を改善提案。
• Day26〜30：業務フローの見直しを1件提案。

 “指示待ち”から“職場を回す人”へ。

施工管理技士：30日で“現場改善のプロ”へ

• Day1〜5：1日の移動・確認時間を記録。無駄動線を発見。
• Day6〜10：職人の作業時間を平均化。ばらつきの原因を探る。
• Day11〜15：現場写真を整理・共有。進捗見える化。
• Day16〜20：安全確認を「声かけ＋記録」方式に変える。
• Day21〜25：週1で“改善MTG”を自発開催。
• Day26〜30：完工後に“振り返りレポート”を作成。

 “管理者”から“信頼される現場ディレクター”へ。

「最低賃金が上がる国」で安心するか、「自分の価値を上げる人」になるか

選ぶのは、いつだって自分です。

最低賃金は“床”でしかありません。あなたの“天井”は、努力次第でいくらでも上がる。

今日の+1%、その積み重ねが、1,075円を1,500円に変える力になります。