二拠点生活はお金がかかりそうに見えても、住まいの選び方や移動の仕方によって、負担を抑えながら始めることもできます。たとえば、家具・家電付きのマンスリーマンションから試してみる、移動頻度や移動時期を調整するなど、工夫しだいでかかる費用の中身や負担感は変わります。
そこで、北海道・帯広市で二拠点生活を始めるモデルケースをもとにして、二拠点生活の費用を整理しながら、無理なく始めるための住まいの選び方と、コストを抑える5つのコツを解説します。

二拠点生活にかかる費用を考えるときは、まず全体を大きく3つに分けて整理すると見通しを立てやすくなります。
たとえば、どのような住まいを選ぶかによって、契約時にかかる費用や毎月の負担は変わります。また、滞在先が遠方になるほど、移動費も無視できない支出になります。まずはこの3つで全体像をつかんだうえで、どの費用を抑えていけそうかを考えることが、無理のない二拠点生活につながります。

二拠点生活では、どのような形で第二拠点を持つかによって、初期費用や毎月の固定費が大きく変わります。ここでは、二拠点生活で一般的に検討される4つの選択肢を見ていきます。
マンスリー・サブスク型の住まいは、初期費用を抑えやすく、家具や家電が備え付けられていることが多いため、二拠点生活を気軽に試してみたい人に向いています。
契約や解約のハードルが比較的低く、まずは小さく始めたい場合の選択肢として考えやすいでしょう。一方、自分の荷物を置きっぱなしにしにくいことや、長く使うと割高になる場合がある点には注意が必要です。
賃貸住宅は、特定の地域に定期的に通いたい場合の有力な選択肢です。住宅を購入する場合に比べると始めやすく、初期費用や月々の家賃をもとに、二拠点生活にかかる費用を現実的に考えやすい点が特徴です。
短期滞在向けの住まいに比べると、家具や生活動線を自分に合わせて整えやすく、一定の頻度で利用する第二拠点として考えやすい面があります。
実家や親族宅を活用できれば、住居費を抑えながら二拠点生活を始めやすくなります。
ただし、自分専用の拠点ではないため、生活環境の安定性や荷物の置きやすさでは不便が出ることもあります。費用面のメリットは大きいものの、継続的な拠点として使いやすいかは別に考える必要があるでしょう。
住宅の購入は、長期的に使う前提であれば選択肢のひとつになります。自分の拠点として自由に使いやすく、将来的な移住を見据えて検討する人もいます。
一方で、初期費用や維持費が大きくなりやすく、手放す際の手間もあるため慎重な判断が必要です。二拠点生活を始めたばかりの段階では、いきなり住宅の購入を選ぶよりも、賃貸やマンスリーなどを利用しながら、地域との相性を見極めるほうが現実的といえるでしょう。

二拠点生活の費用は、拠点をどこに置くかによって大きく変わります。そのため、全体像を具体的にイメージするには、地域をひとつ仮置きして考えるのがおすすめです。
北海道・帯広市は、東京圏からは羽田便、札幌圏からは特急や高速道路を使って移動しやすく、道外・道内のどちらのケースでも費用感を考えやすい地域です。自然が身近にあり、「もう一つの暮らしの拠点」としてもイメージしやすい地域といえるでしょう。
ここからは、帯広市で賃貸を借りるケースをモデルに、二拠点生活にかかる費用を見ていきます。

二拠点生活を始めるときは、毎月の家賃だけでなく、最初にまとまってかかる初期費用も見ておく必要があります。賃貸で第二拠点を持つ場合は、主に次の4つです。
賃貸契約時には、敷金、礼金など、様々な費用が発生します。主な項目を整理すると、次のとおりです。

一般的な賃貸では、契約時の初期費用は家賃の5〜6か月分程度が目安とされます。
ただし、帯広では礼金なしの物件が比較的見つけやすいため、全国的な水準より初期費用を抑えやすい可能性があります。第二拠点を賃貸で持つ場合は、契約費用を家賃の3〜5か月分程度で見込んでおくとイメージしやすいでしょう。
第二拠点で生活を始めるには、家電や家具、消耗品などの生活備品をそろえる必要があります。これらを一通りそろえる場合、20〜50万円程度がひとつの目安です。新品でそろえるか、中古品を活用するかによって費用が大きく変わります。
また、現在の住まいから第二拠点へ荷物を運ぶ場合、運搬費も発生します。一般的な引っ越し費用の目安は以下のとおりです。
ただし、二拠点生活では、家具家電や日用品を現地で購入し、運ぶ荷物を最小限にすることで、運搬費を抑えやすくなります。
サブ拠点でリモートワークを想定するなら、インターネット環境は優先的に確認しておきたいポイントです。回線の種類によって、初期費用も使い勝手も変わります。

ネット環境の整備には、おおむね2.5万円〜8万円程度の初期費用がかかるのが一般的です。どの手段を選ぶかによって、費用も使い勝手も大きく変わります。
初期費用のうち、光回線の工事費や、ホームルーター・モバイルルーターの端末代は、キャンペーンによって実質無料になる場合があります。ただし、「実質無料」は一定期間の継続利用を前提にしているケースも多いため、途中解約時の残債の有無まで確認しておくことが大切です。
帯広市に限らず、広いエリアを移動することが多い北海道での二拠点生活では、車があると便利な場面が少なくありません。その一方で、新たに車を用意する場合は、住まいとは別にまとまった出費が発生します。
また、北海道の冬に車を使うなら、冬用タイヤの準備も欠かせません。タイヤ本体と交換費用を含めると、3万〜10万円程度がひとつの目安です。帯広で冬をまたいで車を利用するなら、寒冷地向けの準備費も考えておきたいところです。

二拠点生活では、生活を続けるうえで毎月かかる家賃や水道光熱費に目を向ける必要があります。
毎月の固定費の中でも、もっとも大きくなりやすいのが住居費です。帯広市に第二拠点を持つ場合も、家賃や管理費が固定費として継続的に発生するため、この部分をどう設計するかが全体の負担感を左右します。

単身で使うなら1K〜1LDK、夫婦や荷物が多い場合は2LDKも選択肢になります。ただし、広さや条件を上げすぎると、使っていない期間の固定費が重くなるため、最小限の間取りを選ぶことが大切です。
車を使う前提であれば、駐車場代も見込んでおきたい費用です。帯広市内では、月6,000〜7,000円程度がひとつの目安になります。
出典:帯広市(北海道)の月極駐車場
二拠点生活では、家賃とは別に水道光熱費も継続的にかかります。特に帯広・十勝での水道光熱費の大まかな目安は、次のとおりです。

滞在日数が少ないほど、使用量ベースの費用は平均より下がる可能性があります。ただし、水道や電気・ガスは基本料金や待機電力が残ることがあるため、日数に比例してそのまま小さくなるとは限りません。
また、帯広のような寒冷地では、冬の暖房費が支出を大きく押し上げやすい点にも注意が必要です。戸建ての木造住宅では、冬の暖房に使う灯油やガス代だけで月2万〜3万円程度かかるケースもあります。

二拠点生活では、移動費が住居費と並ぶ大きな支出になりやすい項目です。重要なのは「月に何往復するか」を含めて総額で考えることです。

※自家用車は、走行距離約196km、燃費20km/L、ガソリン代160円/Lで計算した場合の目安です。

月2往復する場合、片道料金は単純に4回分かかります。たとえば、航空券が片道2万円なら、移動費だけで月8万円程度になる計算です。帯広で二拠点生活を考えるなら、家賃だけでなく、移動費を含めて無理なく続けられる往復頻度を考えることが大切です。
帯広市に賃貸1Kを借りて二拠点生活を始める場合を想定して、初期費用と月々の費用を試算してみます。
【前提条件】


移動費は手段や時期によって大きく変わります。たとえば東京発でも早割を活用すれば月3〜4万円台に抑えられますが、繁忙期や直前予約では倍以上になることもあります。家賃と移動費をセットで考えることが、無理のない二拠点生活のポイントです。

二拠点生活により増える生活コストは工夫次第で抑えることができます。ここでは費用を抑える5つのコツについて整理します。
まず二拠点生活を試してみたい段階なら、マンスリーやサブスクの住居で始めてみるのもおすすめです。
もし実際に暮らす中でその地域が気になったら、賃貸を契約するというように、滞在頻度に合わせて住まいを選ぶことで、大きな出費を避けやすくなります。
第二拠点の生活環境を整える際は、最初からすべてをそろえようとせず、必要なものから段階的にそろえることが大切です。そうすることで、初期費用を抑えやすくなります。
そのうえで、中古品やレンタルサービスを活用すれば、1つひとつの購入コストも抑えやすくなります。荷物を増やしすぎないよう、現地で購入するものと持ち運ぶものを分けて考えることも有効です。
二拠点生活では、家賃だけでなく、月に何回移動するかまで含めて総額で考えることが大切です。移動費は往復頻度によって大きく変わるため、想定している暮らし方に合った無理のないペースを見ておきたいところです。
また、旅費は移動する時期によっても差が出ます。飛行機やJR、高速バスは、年末年始やゴールデンウィーク、夏休み・お盆、連休まわりは高くなりやすく、通常期や平日寄りの日程、早期予約では抑えやすい傾向があります。通常運賃だけで考えるのではなく、移動の回数と時期をあわせて見積もることがポイントです。
二拠点生活では、どちらの拠点にいつ滞在するかによって、光熱費の負担感が変わります。特に帯広のような寒冷地では、冬の暖房費が高くなりやすいため、長く滞在する時期や頻度も含めて計画しておくことが大切です。
移動費と同じように、滞在の時期をどう組むかで支出の出方は変わります。旅費が高くなりやすい時期と、暖房費がかさみやすい時期の両方を見ながらスケジュールを考えることで、無理のない形を見つけやすくなります。
帯広や十勝エリアでは車が便利な場面もありますが、購入費や維持費、冬用タイヤなどの費用もかかります。滞在先の立地や過ごし方によっては、公共交通機関や徒歩中心で考えられる場合もあるため、必要性を見極めて判断することが大切です。
車なしで考えるなら、駅周辺やバス停にアクセスしやすい立地を選び、日常の移動手段を確保しやすい環境にしておくと安心です。
二拠点生活の費用は、初期費用、毎月の固定費、移動費の3つに分けて考えると整理しやすく、コストを抑える工夫もしやすくなります。
たとえば、どんなスタイルで住まいを選ぶか、家具や家電をどのように用意するか、どのくらいの頻度で行き来するか、などによって、負担の出方は大きく変わります。
二拠点生活を無理なく始めたい場合は、最初から重い固定費を持たず、まずは試しやすい形から入るほうが現実的です。
まずは自分の使い方に合った形を想定しながら、続けやすい二拠点生活のかたちを考えていくとよいでしょう。