十勝バス株式会社は、十勝の地域社会に欠かせない交通サービスを提供しています。そんな地元の脚「十勝バス」のバス運転手の中で最も注目されているのが、福原諒真さんです。彼は会社内で最も若い運転手として知られており、彼の背景と日々の努力が、多くの若者にとって大きなインスピレーションとなっています。なぜ運転手となったのか?やりがいや勤務状況はどうなのか?根ほり葉ほり聞きました!
1999年生まれ。帯広出身。高校卒業後に調理師専門学校へ。高校時代に抱いた「かっこいいバス運転手」を目指し、2019年、19歳で十勝バス入社。21歳で大型自動車第二種免許。研修を経てバス運転手に。
福原さんの物語は、高校時代のバス通学で始まりました。彼は毎日バスで学校へ通いながら、「大型バスの運転はかっこいい」と感じ、自分もいつか運転してみたいと思うようになります。ただ、飲食店を経営していた祖父の影響を受け、高校卒業後は調理師専門学校へ進学。
それでも、「高校時代のかっこいいが忘れられず、運転を仕事にするなら、若いうちに技術を習得したほうがいい」と調理師専門学校を卒業後、十勝バス株式会社に改めて入社します。
十勝バスを選んだ理由について福原さんは、「納得できるまで、3回見学させてもらいました。中途採用にも積極的で整備や運行管理の仕事など、新人の養成研修が充実し、ここなら安心してステップアップができるのではと感じました」と語ります。
入社当時は19歳だった福原さんですが、バスの運転手に必要な大型2種免許の取得資格は21歳以上であるため、運転の夢は少し先の話となりました。
しかし、その間も彼は決して時間を無駄にせず、整備や運行管理業務の研修に励みます。
「整備や運行管理に関しては、各管理者が直接丁寧に教えてくれました」(福原さん)
21歳となり、大型免許を取得するために会社から費用の支援を受けて自動車学校に通った福原さん。免許取得後は、教官とマンツーマンで実車研修に取り組みました。
「片道ハンドル研修では、教官が行きのルートを運転し、帰りは自分が運転する。しかも、決められた時間通りに運行を調整する必要がありました」(福原さん)
功を奏したのが、配車業務の経験でした。
「先輩運転手の顔と名前を覚え、運行研修ではダイヤ改正時にバス停や時刻表の張り替えを行ったことがあったので、停留所やルートは頭に入っていました。顔を知っているとシフト変更等の連携が取りやすくなり、ルートが頭に入っていると乗務時にとても役立つんです」(福原さん)
免許取得前の経験が約だった福原さんは、実車研修を3カ月程で終了。まさに、最年少バス運転手が誕生した瞬間でした。
「初の単独運転の前日は、緊張して寝付きが悪く、当日もずっと緊張しっぱなしで汗だくでしたよ。一番の緊張はお客様の命を預かる重みでしたね。今でも最も大事にしていることですが、初めてのときはもう心臓バクバクでした」と振り返ります。
あれから2年。今では、お客様が降りる時の一言がやりがいにつながっていると言います。「『ありがとうございました』という感謝の言葉や、『運転手さん、若いね。これからも頑張ってね』など励ましの言葉をいただくとうれしいです」と福原さんは微笑みながら話します。
命を預かる身として、安全運転に気を配る福原さんの目は、プロの運転手そのもの。
「今後は、『足元滑りますので気を付けてお降りください。ゆっくりでよいですよ』などのお客様一人ひとりに寄り添った声掛けや、安全で快適な運転を意識していきたいと思っています。それと、自分のような若い世代の運転手がもっと増えてほしいとも願っているんです。そのためにも、ボクが実践する小さな積み重ねを若い人に見てもらいたいんです。そして、『バス運転手ってかっこいい』と思ってもらえるよう頑張ります」(福原さん)
そんな、十勝バスの若きホープとして活躍する福原さんに、十勝バスを選んでよかったポイントについて聞くと「十勝バスでは、帯広の本社勤務か広尾、上士幌、陸別にある営業所勤務を選べます。最近は首都圏や都会から『都市部の運転に疲れた。家族とともに雄大な十勝で運転手として頑張りたい』と移住者も増えているんです」とも明かします。
十勝バスでは、通常の有給休暇とは別に1年間限定の特別有給が毎年あり、多くの運転手がしっかりと有給取得ができているそうです。
また、半年に1度のダイヤ改正に合わせてシフトが決まるので、長期休暇や旅行の日程などが半年前から計画できるのも運転手の定着率を高める要因。福原さんも「ぼくはキャンプやアウトドアが好きなので、ハイシーズンの時期にしっかりと休暇を取得しておもいっきり楽しめるので充実させてもらっています」と笑顔に話します。
勤務形態は3種類。始発からの早番、日勤、午後からの遅番です。シフトも休みが近づくと早番となり、休み明けは遅番が割り振られるので、長く休みをとれるシフト制度も嬉しいですね。
「コロナ禍でストップしていましたが、毎年共済会旅行があり、他の運転手と交流できる機会なので、ぼくは楽しみにしています」(福原さん)
いかがでしたでしょうか。十勝バスは、福原諒真さんのような熱い運転手たちのおかげで、地域社会において信頼される交通サービスを提供し続けています。十勝の美しい自然と共に、ここでの仕事は運転手たちにとっても充実そのもの。
福原さんは、特に若者にとってモデルとして、日々の努力が、運転手という職業のやりがいと責任を広く知らしめています。十勝バスの運転手たちの勤務環境の良さも伺え、十勝バスは、社員に対する良好な待遇と共に、地域社会に対しても貢献し続けています。そして、それは十勝バスが地域に根ざし、地域の発展と共に成長し続けることの大切さを改めて教えてくれていました。