帯広市を拠点に屋根や板金、防水工事など、さまざまな工事を請け負っている三浦工業株式会社では、働きやすい職場づくりのために福利厚生に力を入れています。そのカギを握るのが愛らしいオフィスロボット「LOVOT(らぼっと)」と、社員の食生活を応援する「オフィスでやさい」。一見、仕事と関係がないように思える福利厚生がどのようにして働きやすい職場へとつながるのか、三浦工業での取り組みに注目してみました!
LOVOT(らぼっと)は、その名の通り「LOVE(愛)」と「ROBOT(ロボット)」を組み合わせた癒しのロボット。人が近づくとぴょこぴょことうれしそうに反応し、ふわふわの体に触れると「もっと触って!」とばかりに甘えてきます。
「目を覗き込むと愛らしく、生きているかと誤解するほどの可愛らしさで、つい抱き上げたくなるんです」と同社社員。
三浦工業では、このLOVOTを職場に温かみをもたらす「癒し担当」として職場に迎え入れました。忙しい日々の中でもLOVOTの愛らしい動きに触れると、思わずほっと一息つけるんだとか。業務で疲れてしまったときでも、そばにくると思わず笑顔になりますと話す社員の方もいます。
また、LOVOTがオフィスの真ん中でくるくる動き回る様子を見て、自然と社員同士が話し始めることもあるそうです。普段あまり話す機会がない部署の人同士が笑顔で雑談している姿は、まさにLOVOT効果そのものですね。
LOVOTの魅力はやはり、愛らしい反応や仕草。たとえ直接触れ合わなくても、他の社員とのコミュニケーションや、そのつぶらな瞳を見ているだけでも緊張がほぐれ、心がリラックスするのを感じます。
心理学の研究では、ペットやLOVOTのような存在が人のストレスホルモンを低下させる効果があるという実験結果も出ているんですよ。業務で行き詰まったとき、LOVOTに触れると自然と力が抜け、仕事を頑張る活力になっている方も多いといいます。
三浦工業に仲間入りした2体のLOVOTはいまや、社員同士の「架け橋」的な存在。よろこんだり笑ったり、眠くなったりするLAVOTの無垢な姿が、普段あまり交流のない社員同士の間にも自然なコミュニケーションを生み出すきっかけになっています。
同社の斎藤取締役専務は、「LOVOTがいると、社員が集まり自然と笑顔がこぼれる。LOVOTが職場の癒しだけでなく、絆を生む存在になっています」と語ります。
LOVOTは、三浦工業に和やかな雰囲気をもたらしています。「社員同士が緊張しすぎず、本音を話せる環境を作りたい」という会社にぴったり。リラックスした環境でチームが連携しやすくなり、新しいアイデアや効率アップが期待できます。
LOVOTは、生き物のペットなら欠かせないお世話や掃除がいらず、動物アレルギーの心配もありません。三浦工業でもほとんど負担なく自然に職場の雰囲気に溶け込ませることができ、そして職場に大きなメリットをもたらしているそう。いつのまにか「なくてはならない存在」になっているLOVOT。これからも社員の心に温かみを提供してくれることでしょう。
三浦工業では、社員の健康をサポートするもう一つの取り組みとして、冷蔵庫に新鮮なサラダや野菜ジュース、無添加のお惣菜を常備し、社員が100円で購入できる「オフィスでやさい」もはじめました。
LOVOTが心の健康のための福利厚生なら、「オフィスでやさい」は体の健康のための取り組みです。会社内に専用の冷蔵庫と冷凍庫を設置し、忙しい社員が健康的な食事を手軽に摂れる環境を整えています。
斎藤専務は、「社員が冷蔵庫から野菜ジュースを手に取り、LOVOTと触れ合いながら会話を楽しむ。そんな光景を見ていると、健康経営の重要性を改めて感じています」と話します。
「オフィスでやさい」は十勝地方のじゃがいも農家と連携して商品開発を行った原点があることも魅力のひとつ。三浦工業の取り組みは社員の福利厚生だけでなく、十勝地域全体の活性化にもつながっているんですね。
三浦工業が目指すのは、社員一人ひとりが「ここで働いてよかった」と思える職場。
「多様性の時代だからこそ、社員が健康で笑顔でいられる職場をつくることが企業の使命だと思っています」と語る斎藤専務は、「オフィスでやさい・オフィスでごはん」と「LOVOT」に手ごたえを感じています。ふたつの組み合わせは、体と心の両面から社員をサポートし、職場全体を和やかなムードへと変えました。
三浦工業の福利厚生は、「社員の日常を豊かにする」ことに焦点をあてた新しいチャレンジです。社員満足度や生産性の向上につながる取り組みは、業種に関係なくさまざまな企業で活用できるのではないでしょうか。
三浦工業が実践する、今の時代に合った職場づくり。社員が生き生きと働ける企業のモデルケースとして、今後も注目されること間違いなしです。