本場の畜産を学ぶために十勝へ—牛と人にも優し
い環境を目指す挑戦

Sep. 17
22

 農業高校で牛と出会い、畜産の道を歩み始めました丸井さん。 「有限会社コスモス」の牧場で繁殖部門を担い、牛の命と向き合っています。時に過酷で、命の重さを痛感する畜産の現場。けれど「命を諦めない」この職場だからこそ続けられると語ります。 牛と誠実に向き合う若き畜産家の歩みと、想いを伺いました。

PROFILE

丸井颯一郎さん
1999年生まれ、26歳。広島県出身。県内の農業系専門学校を卒業後、北海道の牧場で畜産のキャリアをスタート。2019年に有限会社コスモスへ転職し、現在は繁殖部門を担当。休日は子どもと近所の公園で遊ぶのが楽しみ。畜産の道を志すきっかけとなった競馬観戦も趣味のひとつ。

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https://tcru.jp/jobs/72

入社のきっかけと会社の魅力

命をあきらめない。牛と誠実に向き合う環境を求めて

広島県出身の丸井颯一郎さんは、農業高校で牛と出会い、進学した専門学校でさらに肉用牛について学びを深めました。

「実は当初は馬を育てたかったんです。小学生の頃にテレビでディープインパクトが走る姿を見て感動して。高校で馬術部に所属したものの、校則の関係で肉牛の分野を選択することにしました」

専門学校卒業後は「本場で牛を学びたい」と北海道の牧場に就職します。ところが、当初勤めた牧場は衛生管理が不十分で、牛が頻繁に死んでしまう過酷な環境でした。そんな折、知人の紹介で現在の牧場「有限会社コスモス」に転職。2019年から働き始め、今では繁殖部門を任される存在となっています。

丸井さんは今の職場での仕事に誇りを持っていると言います。

「牛を育てるのは簡単なことではありません。中には頑張っても死んでしまう子牛もいます。でも、有限会社コスモスは命を諦めず、最大限の努力をするんです。牛の健康を最優先に考え、牛たちが暮らす場所を清潔に整えることを大切にしている。その方針に共感していますし、納得して仕事を続けられています

働いて感じたやりがいと厳しさ

自らの判断で命を支えるやりがいと、畜産現場のリアル

現在、丸井さんは繁殖部門を担当し、母牛の飼育や出産対応、発情牛の確認、人工授精士への依頼などを任されています。近年は「Farmnote Color」という牛に付けるセンサーを導入し、牛の発情をデータで把握できるようになり、より正確な繁殖管理を行っています。

※Farmnote Color:株式会社ファームノートのサービス。牛を見守り、人を支える人工知能を活用した牛向けウェアラブルデバイス。

自分の判断で仕事を進められる点にやりがいを感じています。ただ、上司の指示に応えられず結果を出せなかった時期はとても苦しかった。歯がゆさや無力感を経験しました」と、厳しさも率直に語ります。

また、牛は大人しく見えても飼育業務は命の危険と隣り合わせです。特に出産直後の母牛は子牛を守るために攻撃的になることがあり、牛舎で作業している最中に牛が突進し、危険な思いをしたこともあるそうです。

「畜産は人命に関わるリスクのある仕事。だからこそ気を引き締めて臨んでいます」と話します。

福利厚生や休日、給与面について

安心して働ける待遇と休暇制度

勤務時間は朝7時半から夕方5時半まで。夜勤はインドネシア人のスタッフが交代で担当しています。休日は毎週1日に加え、月に1回のお休みがあります。お盆休みや正月休み、ゴールデンウィークの休暇もあり、有給も取りやすいと言います。

給与面については同規模の牧場と比べて待遇が良いと感じています。残業代はもちろん、分娩対応や、早朝出荷の手当もきちんと支給されます。いわゆる『やりがい搾取』はありません」と丸井さん。

1日のスケジュールと職場の雰囲気

年間を通して大きな変化はなく、安定したルーティンで作業が進みます。

職場は現在6人前後で運営。少人数ゆえに一人ひとりの役割が大きく、責任感を持って働ける環境です。

「夜勤のインドネシア人のスタッフ以外では私が一番若手ですが、意見も言いやすいです。みなさんがいろいろと気にかけてくれて、居心地が良い職場ですね」と丸井さんは言います。

1日の流れ(例)

これから挑戦したいことと未来像

新しい挑戦を糧に、もっと牛と人に優しい牧場づくりへ

業務体制の変更により、牛の管理や機械操作、作業の段取りなど、丸井さんは今後、さらに幅広く業務を担う予定です。

「体力的な不安や家族との時間の確保は課題ですが、これは自分にとってチャンスでもあると考えています。新人指導や社員間の関係づくりにも前向きに取り組みたいです」と意気込みを語ります。

効率化のために自動給餌器などの機械を活用していますが、人にも牛にも負担の少ない環境を求めてさらに改善していく予定です。

「牛の命を守るために、最大限の努力をする。それが自分の役割」と語る丸井さん。その真摯な姿勢が、牧場の未来を支えているといえそうです。

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