点検でご来店されたお客さまが――“あら、戻ってきたの? 今度もお願いするわね” と笑顔で手を振ってくださった瞬間、胸がじんと熱くなりました。ここには“帰ってくる場所”がある。そう確信したんです」。1996年、新卒入社。日産独自の社内資格「テクニカルアドバイザー(TA)1級」を同社の女性として初めて取得。その名を帯広日産に刻みながらも、いったん会社を離れ、ウエディングプランナーという“もうひとつの夢”を追った中田麻希子さん。
約20年のブランクを経て、2024年11月、西16条店のサービスフロントに帰ってきた彼女は、かつての“伝説”に甘んじることなく、新しい風を吹き込んでいる。ブライダルで磨いた「一生に一度へ寄り添う力」が、いま“クルマの主治医”の現場でどう花開いているのか——。再入社を決めた本音と、西16条店のチームを一段引き上げた“中田効果”を伺った。
入社年度:1996年、2024年
中田 麻希子 Makiko Nakata
1976年2月生まれ、中札内村出身。帯広北高、滝川の短大を卒業後、1996年帯広日産入社。TA1級を帯広日産女性第1号として取得。2005年に退職し札幌へ。ブライダルコーディネーターとして14年間で約800組の式を担当。2024年11月、西16条店に再入社。趣味はカフェ巡りとサウナ、ヨガ。
伝説の女性TA1級が約20年ぶりに復帰。どんな経緯だったのでしょう。
「帯広日産を辞めてからも、クルマのメンテナンスやイベントなどで日産の店舗にいく機会がたびたびありました。地元に戻ってきてからも、色んなスタッフから「マキさんが戻ってきてくれたらうれしい!」と言ってもらえていたんです。決め手になったのは、”チームで戦う文化”。当時働いていたときにはなかった文化が生まれていることを知り、もう一度頑張りたいと思ったんです。」
復帰した中田さん。伝説の女性TAとはいえ、約20年のブランク。時代ともに店舗内の管理システムやルールも変わるはず。復帰してまず感じた変化と、逆に変わらなかったものを聞くと……。
「完全予約制とクラウド受付システムで驚くほど効率化されていました。20年前は閉店間際でも電話が鳴りっぱなしで、対応してました(笑)。でも、“人に寄り添う”温度感は当時のまま。ウエディングプランナーで培った『言葉にできない不安をくみ取る癖』が、車検・修理の受付でも役立っています。『ブーツやヒールが高くて代車のペダルが踏みづらいかも』と気づける――そんな小さな配慮を、私は“ブライダル仕込み”と呼んでいます」
以前働いていたときと比べ、西16条店のサービスチームには明らかな変化があった。受付カウンターの後ろでメカニックたちは前向きな言葉を交わし、常に真剣に仕事に向き合いながらもどこか和やかな雰囲気なんだそう。
「“ここだけ直せばいい”ではなく“どう直したことを伝えれば安心してもらえるか”を必ず聞くようにしています。若手も含めて、お客さま対応をみんなで考えているので、チーム全体の報・連・相の量が2割増えた感覚がありますね。それが結果としてお客さま対応の向上につながっていると思います」
中田さんにとって、帯広日産を離れていた約20年はブランクではありません。ウエディングプランナーとしての経験を積むことで、むしろ、これまでのTAとは違うサービス力を手に入れたスーパーTA。そんな、中田さんにとっての現在のやりがいとは?
「クルマの点検の診断結果をお伝えしたあと、お客さまがほっと表情を緩める瞬間です。クルマは生活の相棒。一台ごとに“事情”があります。“エンジン音の変化が気になる”という不安は、花嫁が抱える“ドレスが似合うかしら”という不安と同じ。その気持ちを言語化し、最適なプランで寄り添えたとき、私は胸の奥がじんわり温かくなるんです」
2024年11月。西16条店のカウンターに約20年ぶりに立った中田さんを、いきなり“嵐”が襲います。タイヤ交換のピークと車検シーズンが同時に押し寄せ、冬道を前にした十勝のお客さまが次々に入庫予約。予約枠はすぐに埋まり、サービス工場は一気にフル稼働となりました。
「いやあ、久しぶりに“修羅場”を味わいました(笑)。でも、完全予約制のおかげで“パンク”はしないんです。1台20分のタイムテーブルを絶対に崩さないので、メカニックも私も集中力が切れない。結果、あれだけ忙しかったのに18時きっかりに店を閉められた。これは20年前には考えられなかったですね」
受付に立つ“伝説のTA”の背中を見て、若手は自発的に作業進行を見直し、メカニック同士の声掛けも増えたと言います。中田さんの再デビュー戦は、そのまま西16条店の“チーム力ブースター”になったそう。
テクニカルアドバイザーとして再び走り出した今、中田さんの視線は“自分のカウンター”の先に向いています。
「目標はシンプル。『顧客満足度 全国No.1へ』です。受付動線や待合スペースのレイアウト、声かけフレーズ──若手と一緒に、毎日少しずつブラッシュアップしています。昔は“自分が速く正確にこなす”ことに夢中でしたが、今は“チーム全体の体温を上げる”面白さがありますね」
プライベートでは大好きなCAFÉ巡りとサウナ。帯広の住宅街にポツンとあるお気に入りの「rapo cafe (ラポカフェ)」の季節パスタでエネルギーをチャージし、サウナでは“7分→30秒水風呂→外気浴”を3セット。ととのった頭で眺める翌週の整備予約表には、不思議と新しいアイデアが浮かぶそうです。
「心と身体を整えた分だけ、お客さまにも丁寧に向き合える。ワークライフバランスって、数字より“質”を変えてくれるんですよ。それと、心を落ち着かせるのにヨガも良いですよ。プライベートの時間がしっかり取れるのも帯広日産の魅力かも!心にゆとりができると、自然と仕事のことも前向きに考えられて、休日明けに、『こんな風に進めたらもっと改善できるよね』と笑顔で伝えられるんです。そうしたコミュニケーションをみんなができるのも帯広日産の強さかな」
「クルマの知識は、あとから必ず付いてきます。大切なのは“あなたに任せたい”と呼ばれる関係性を育てるワクワク感。帯広日産には、その気持ちに全力で応えてくれる仲間と仕組みがあります。一緒に“十勝で一番安心なサービスフロント”を創りませんか?」
中田さんが太鼓判を押す帯広日産では、以下の職種を募集しています。地域社会に貢献し、人々に喜ばれるTAの仕事を通じて、キャリアアップを目指してみませんか?
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